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東洋医学?中国医学?中医学??名前が色々あるようですが…?

ひいろです。
今日は木下大サーカスを見てきました。
娘たちが喜ぶと思って行ったのですが、僕が一番喜んでいました。
命を懸けたプロのパフォーマンスに感動して何度も泣きそうになりました。
娘が「キリンさんと猫が出なかった」とがっかりしていましたが、サーカスにそれを望むのは難しいと思います…。
時間を作って見に行かれることをおすすめします。
できるだけ、前の席がいいですよ!

さて、今日の本題にはります。
日本において当たり前の話ですが、医療の主流は現代医学です。
鍼灸、整体なんて吹けば飛びます。
多くの人がマッサージと鍼灸の違いさえわかりません。
ただ、「東洋医学」という言葉は時々耳にすることがあると思います。
現代医学が主流ではありますが、健康問題が解決されている訳ではないようです。

2015年の国民医療費は40兆円を超えました。
2005年の国民医療費は33.1兆円だったそうです。
この10年間で医療費は減るどころか増え続けたのです。
現代医学で改善しないのならば、東洋医学に期待したいという気持ちが生まれるのは自然の成り行きといえるでしょう。
どちらを選ぶかは自分自身の選択によるので、それはいいと思います。
僕自身、どこかが痛い、疲れている、カゼを引いた時には東洋医学の方法で治療します。
当然ですよね。僕がカゼを引いて病院に行って、抗生物質や解熱剤を飲んでいたら、背任行為ですよ。
僕の治療を受けに来て下さる患者さんに「カゼを引いたら鍼灸がいいですよ」と言っているのですから。
他の人は知りませんが、少なくとも僕はそうありたいと思っています。
先日、それをめぐって「あんたは頭がおかしい」と言われましたが、クレイジーであることは今に始まったことではありません。

「東洋医学」という呼び名は日本独自のもののようです。
大学生の時、父はイギリスに赴任していました。
当時(1996年)、父が住んでいたマンションの管理人さんに、父が僕のことを「大学でOriental Medicineを学んでいる」と紹介すると「ん??何??」という表情をしたのです。
英語で「Oriental Medicine」や「East Asian medicine」という単語は使うようですが、そこで僕は「Traditional Chinese Medicine(伝統中国医学)」、「Acupuncture(鍼)」と伝えると理解くれました。

「東洋医学」、「漢方」、「中国医学」、「中医学」など様々な呼び方がありますが、何がどう違うかわかりにくいですよね?
今日はこれらについてご紹介します。
その前に、あなたは、僕のブログの中では「中国医学」と表現していることに気が付きましたか?
その理由として、「鍼灸」、「漢方」、「気功」は中国が発祥の地だからです。
少なくとも僕が学んだ医学は中国由来のものです。
あ、これはすごいとか、すごくないという話ではないですよ。
文字通り、「中国で生まれた医学」なので「中国医学」です。

右から蜂蜜で味付けしたチーズにブルーベリーがのっています。粟(あわ)のお粥、「カーシャ」。パンの中にチーズとハムをはさんで焼いたもの。ロシアの朝ごはん美味しいです!!

「中国医学」に似た「中医学」という言葉があります。これは陰陽五行論や易など古代中国の思想を基礎とした「伝統中国医学」を指しているというが一般的な考え方かもしれません。
しかし、中国にいる時に聞いた話によると「中庸の医学だから中医学である」というのです。
現代医学のようにウイルスやがん細胞などを攻撃対象として駆逐する医学とは異なり、気血の流れを疎通させ、陰陽を調和させ、生命力のバランスをとる医学なので「中庸の医学」であるというのです。これは非常に面白いですよね。

また、中国は広大な国土を有するとともに、多数の民族から構成されている多民族国家です。
民族が固有の医学を持っています。
チッベトには「蔵医学(チベット医学)」、新疆ウイグル自治区には「ウイグル医学」、土家族の「土家族医学」、モンゴルには「蒙医学」などがあります。
中国には中国医学を政府が管轄している部署があります。それが「国家中医薬管理局」です。
その直属の研究機関こそが「中国中医科学院」です。
中国中医科学院は中国医学の総本山とも言える存在です。
この研究機関の中に「医史文献研究所」があり、その中に「民族医学」を専門で研究している研究室があります。つまり、チベット医学、ウイグル医学、モンゴル医学、土家族医学など少数民族の医学は「民族医学」であり、「中医学」の一部であるというスタンスなのです。
日本において「中医学」を勉強している人も知らない情報かもしれません。

しかも、「中医学」には国家の定めた医学教育を受けた「学院派」と師弟関係の中で脈々と継承されてきた「民間派」があります。
学院派はアカデミーの教育ですが臨床能力に欠けると言われ、民間派は伝統を有し臨床能力が高いようです。
このような背景もあまり知られていないようです。

だから、中国人が言う「中医学」と日本人が言う「中医学」は違う気がします。
うまく説明できなくてすみません…。
まぁ、患者さんからしてみれば「私の長年の症状を治してくれるならば、なんでもいいよ」という感じですよね。

「漢方」は「漢の時代の方剤」という意味です。
ここでは時代と書名の詳細については割愛しますが、日本の漢方の元になっているのが漢の時代に張仲景が『傷寒雑病論』という書物を著したとされています。
中国の医学が日本で独自の発展を遂げたものが漢方と言うことができるでしょう。

最もよく聞く言葉が「東洋医学」かもしれません。
広義では「東洋の医学」を指すので、インドのアーユルヴェーダ、チベット医学、モンゴル医学、ウイグル医学、韓国の韓医学、日本の漢方、中国の中医学などが「東洋医学」と言えるでしょう。
狭義では中国伝統医学を東洋医学と称しているようです。

そういう訳で、僕は個人的に「中国医学」という呼び方をよく使っています。

それでは、再見!!

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この記事を書いた人

傳統醫學研究所日色鍼灸院院長。
約10年の中国留学の後、横浜中華街にて開業。鍼灸学士、医学博士。
世界医学気功学会常務理事。

鍼灸、気功、徒手療法などの施術を中心に、養生(生活習慣)の取り組みから身体をサポートする。

プライベートでは、5人の子供の父親。

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