ニーハオ!ひいろです。
縄跳び、毎日やっています。
今日、ようやくコツをつかめた気がします。
引き続き、跳んで参ります。
さて、今日のお話は、下ネタNGの方は読まないでくださいね。
と言っても、Hな話ではないのでご安心ください。
オリエント出版社主催の中国研修に参加した時の話です。
安国市の生薬市場を訪れた時のことです。
北京から安国まではバスで3時間ほどです。
と言っても、直通のバスはないと思います。
バスをチャーターして安国に向かいますが、まるで修学旅行のようで心が踊ります。
約50名の参加者も胸が高鳴る思いです。
安国の生薬市場までの道のりは、まさに田舎の道。
左右には田畑が見え、数十分同じ景色が続くこともあります。
1~2回はサービスエリアでトイレ休憩を挟みますが、50人近くいると生理現象の足並みが揃わないこともあります。
サービスエリアに立ち寄った後、便意を催してもどうすることもできません。
そのような時の最終手段は「青空トイレ」です。
しかも、女学生が…。
女性の見張りを立てるかどうかと尋ねると必要ありませんとのことでした。
彼女はそのままガードレールを乗り越えて、ゆるやかな丘を下った畑の隅で、見えないように用を足したのです。
一人で勇敢に畑に向かう姿は忘れられません。
しばらくすると、無事に帰還。
もう大丈夫です!
バスは何事もなかったように走り出します。
それからしばらくすると、今度は大渋滞に巻き込まれてしまいました。
前方には丁字路交差点があります。
車は少しも動きません。
バスの運転手さんが様子を見にいき、交通整理をしている警察と話をしています。
実際は何もしないでじっとしている警察。
誰かは不明ですが、政治家の乗った車輌が通るために交通規制が行われていると言うのです。
運転手さんは警察に文句を言っていました。
この運転手さん、元軍人。
ものすごく強気でしたが、理不尽なことは一切言っていませんでした。
この運転手さんの軍隊で磨いた運転技術は素晴らしかったです。
細い路地を曲がる時でも、大型のリムジンバスを巧みに運転するのです。
結局、渋滞は解消されず、その場で30分以上足止めされてしまいました。
安国の生薬市場は午前中で終わってしまいます。
時間は刻一刻と過ぎていきます。
まっすぐな道に出ても、渋滞は続きます。
すると、次の瞬間。
トイレに行きたいです…。
こんな時に、またしても志願者が出たか…。
そんな思いが拭いきれません。
しかも、先ほどとは異なる女学生です。
すでに市街地に入っているのでこの近くにはサービスエリアはありません。
と言っても、農村地帯なので、一本道の脇にはレンガ造りの平屋が並んでいる程度です。
運転手さんは言いました。
この先にガソリンスタンドが見えるから、そこに行ってみるんだ。
志願者は女学生。
彼女を一人で行かせる訳にはいきません。
わかった。私も行こう。
こうして、私は女学生を目的地へと誘導する任務に志願したのです。
バスから降りると、小走りに目的地を目指して動き出します。
渋滞と言えども、速やかに任務を遂行しなくては、午前中で生薬市場が終わってしまいます。
時間のロスは我々の敗北につながります。
私と女学生は路肩を走り、渋滞する車輌の脇を通り抜けていきます。
そして、移動を続けること数分。
目的地のガソリンスタンドに無事に到着。
ついにトイレを見つけたのです。
しかし、安堵したのもつかの間。
扉の前に立つと、次の四文字が目に飛び込んできました。
使用禁止
扉は残酷にも鎖で施錠しているではありませんか。
行く手を阻まれ、我々は巨大な敵の前(便意)に無残に散りゆくのか…。
いや、ここで諦めたら、彼女は何のためにここまで(トイレ)来たのか。
そうだ、先輩として、彼女をこのまま帰す訳にはいかない。
諦めたらそれは敗北を意味するのだ。
私は、ガソリンスタンドの店員に尋ねます。
ほかに、トイレはありますか?
店員はこう答えたのです。
ああ、あるよ。そこをまっすぐ行って、右に曲がるとそこがトイレだ。
ようやく、勝利へと導かれる時がきたのです。
これで全てが終わる。
そう思うと、店員に感謝の意を伝えられずにはいられませんでした。
ありがとうございます!助かります!
急がなければ時間がありません。
私たちは教えてもらった道を足早に進みます。
路地に入ると遠くにレンガ造りの目的地(トイレ)らしき建築物が目に入りました。
助かった!
これで任務を遂行できる。
中国の田舎でよく見かけるトイレの構造は、溝があるので、そこにまたがって用を足します。
ようやく到着したボロボロのレンガ造りの建築物の中に入りました。
そこで私たちが目にしたのは、まさに地獄絵図でした。
3つある溝が全て汚物で埋まっていたのです。
さらに、溝が埋まっているので、ここでは用を足せない、と考えたであろう過去の訪問者たちが、空いている場所に用を足した痕跡が無数にあったのです。
つまり、入った空間の床には足の踏み場のないほどの汚物が散乱していたのです。
そこには、目を背けたくなるような現実が待っていたのです。
私たち二人を絶望感が襲います。
もうだめだ…。
そして、彼女は言ったのです。
女学生:ひいろさん…、我慢します。
ひいろ:あぁ…、そうなの?じゃあ、戻ろうか…。
もうね、あの光景を見たらね、どんな便意も引っ込みますよ、ホントに。
そんなことがあったので、二人でトボトボと大本営に帰還しました。
戻って運転手さんに一言。
無理でした…。
結局、安国の生薬市場に着いたのは正午を過ぎてしまったので、一番大きな市場は閉まってしまいました。
その後、日中友好の使者に出会った話は以前しましたね。
そういう訳で、普通は外国人が絶対に行かないような場所を訪れてしまい、日本のトイレは本当に快適であることを痛感しました、というお話でした。
今でも、あの時の光景が鮮明に蘇ります…。
それでは、再見!!
(劇終)
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