○○が失われると死ぬ、というお話。~WAN-1に参加して感じたこと~

横浜中華街のひいろです。
暑くなったと思えば、急に冬のように寒くなる、そんなお天気が続いていますが、元気にしていますでしょうか?

さて、4月末、山梨の某所にて行われた修行というか、トレーニングというか、セミナーというのか、参加してきました。
その名も「WAN-1」。
何と読むのか多くの人が困るそうですが、そのまま「わんいち」と読みます。
「WAN」は「Wild And Native」の略です。
主催者の川口拓さんはアメリカでネイティブアメリカンの思想、ヒーリング、ハーブ、トラッキングなどを学び、その教えを日本に広めるべく活動されています。

今回、自分で火を起こしてたき火をしたり、簡易的な寝床である「デブリハット」を作ったりしました。
大自然の中で自然と一体となる瞑想や歩き方を練習しましたが、本当に気持ちよくて素晴らしいひと時でした。
何気なく生活していると忘れてしまいますが、夜でも灯の下で本を読めること、寒い時にストーブを使えること、雨風をしのぐことができる家があること…。
普段、当たり前のことが山の中ではできません。
もちろん、今回僕が体験したのは、拓さんやスタッフの方々の指導のもと、色んな実技や体験をしたので、激しいことや危ないことは一切ありませんでした。
いきなり、何も持たずに「山で数日過ごせ」と言われても死んでしまいますからね。

ちょっと、ネタバレになってしまいますが、遭難した時に何が一番大切かわかりますか?
サバイバルにおいて非常に重要なことがあります。
これを誤ると命を落とす危険性に直面することになります。
中国医学の観点からも合致します。

水?
食べ物?

確かに大切ですし、なければ死んでしまいます。
でも、もっと大切なことがあります。

それはシェルターです。
シェルター???
シェルターとは雨風をしのげる場所のことです。
今回、デブリハットというシェルターを参加者の人と一緒に枯れ枝と落ち葉で作りましたが、風が抜けないので保温性に優れており、多少の雨でも濡れることがないそうです。

何のためのシェルターか?
それは体温を守るためです。
今回、生まれて初めて山の中で野宿をしたのですが、昼間は28℃あるのですが、夜になると8~10℃まで下がります。
−30℃でも耐えられる寝袋を借りて寝たのですが、地面にレジャーシートを敷いて寝ました。
地面のでこぼこと石ころが身体に当たる上に、地面から水蒸気が上がってくるためか寒いのです。
夜露もつくし…。

なるほど、秋や冬の季節では体温が下がって非常に危険だな、と実感しました。
留学時代、蘭州で生活していた時に住んでいたアパートが50年代に建てられたものでした。
隙間風がピューピューと吹き込んできます。
外は−17℃。
あの時は寒さと寂しさで眠れない日々が続きました。
山に行って再認識しましたが、体温は本当に大切ですね。

ひいろさん、何当たり前のことを言ってるの?
と思いますよね。

でも…。

現代社会において、ほとんどの人がこの体温を軽視しています。
四季を通して冷たいものを飲んだり食べたりします。
夏は一日中クーラーが効いた部屋にいます。
もちろん、寝る時もクーラーはつけっぱなし。
通勤中の電車の中もクーラーが寒いくらい効いています。

自然において、体温を守れなければ、死につながります。
日常生活では、死には至らないまでも、様々な不調を生じます。

頭痛、ぜんそく、咳、かぜ、花粉症、肩こり、首こり、腰痛、坐骨神経痛、冷え性、乳腺炎、生理痛、不妊症、アレルギー性紫斑病、リウマチ、膠原病、便秘、胃痛、下痢、腹痛、身体がだるい、肥満など…。

体温が下がれば、血流が悪くなりますものね。
体調が悪くなるのは当たり前です。
身体の機能を正常に保つ力を中国医学では「陽気」といいます。
「陽気を守る」、「陽気を保つ」といいます。

ネイティブアメリカンもすごいけど、古代中国人も本当にすごいなぁ、と今回感じたのでこうしてお伝えした次第です。
川口拓さん、素晴らしい機会を与えて下さり、本当にありがとうございました!!
そして、WANのスタッフとして参加され、いつも色んな気づきを与えて下さる寿原さん、ありがとうございました!!

今現在、体調が悪い人はとにかく「陽気」を消耗しないように気をつけるだけで、一ヶ月もすればかなり体調が回復するはずですよ。

それでは、今日はこれにて。
再見!!

満月前夜は本当に明るくて、落ち葉一枚一枚を照らしていました。逆に新月だったら真っ暗で怖くて眠れなかったかもしれません…。

 

この季節、朝5時頃には明るくなるので、自然に目が覚めました。日没には一日を終えて休息し、日の出とともに起き生活をしていれば病気とは縁遠い人生を送れるのだろうな、と感じました。キツツキの樹木をつっつく音を初めて聞きました。

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この記事を書いた人

傳統醫學研究所日色鍼灸院院長。
約10年の中国留学の後、横浜中華街にて開業。鍼灸学士、医学博士。
世界医学気功学会常務理事。

鍼灸、気功、徒手療法などの施術を中心に、養生(生活習慣)の取り組みから身体をサポートする。

プライベートでは、5人の子供の父親。

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