冬の養生①

こんにちは。
横浜中華街のひいろです。
帰国して早くも八年が経ちました。
そして、12月19日、傳統醫學研究所日色鍼灸院は8周年です。
引き続き治療と予防、養生の方面から社会に貢献すべく邁進して参ります。

 

さて、2019年の冬至は12月22日(日)。
この日は陰が最も多く、隠れていた陽気が一つひょっこりと顔を出します。
「一陽来復」です。
まだまだ寒さが強い季節、せっかく生まれたこの陽気を大切に育てるのが冬の養生です。
これを失敗すると次の一年間は体調を崩しやすくなります。

 

ちなみに、夏に冷たいものをたらふく飲み、アイスを食べて、クーラーで身体を冷やし過ぎた人は秋以降体調を崩したはずです。
咳、喘息、風邪をよく引く、お腹の調子が優れない、皮膚のトラブルなどが代表的な症状です。
季節の移り変わりは陰陽の変化です。

数字で例えるならば、

1→2→3→4→3→2→1→2→3→4…

と常に循環しています。

 

自然界の陰陽の変化に従って、人の陰陽、気血もまた変化し続けています。
ですから、もし「2」でつまずくと次の「3」に変化できません。「3」に変化しないので、上手に「4」になれないので、順調に「→3→2→1」と展開することができなくなります。
もちろん、若い人や生命力の充実した人は多少無理をしても回復することができるので持ちこたえることができます。
しかし、心疾患、糖尿病、脳卒中、ガン、腎臓病、自己免疫疾患などの持病がある人は自力回復できず、病状が悪化の道をたどるおそれがあります。
不摂生が単発ならば何とかなるかもしれません。

もし、頻発すれば確実にダメージが蓄積し、生命力が削られていくのです。

身近な症状では、花粉症がまさにそれです。
夏の不摂生が翌年の春に不調となって出てきます。
今まで何ともなかったのに今年から急に症状が出始めた、という話を時々耳にします。
突然発症したのは今までの仕込みがあったからです。
嫌な仕込みですが…。
会社と同じで、借金が膨れ上がり、何かの出来事がきっかけで倒産してしまうようなものです。

 

中国には冬至に羊肉を食べる習慣があるそうです。
四川省のある地域では羊肉のスープにトリカブトの塊茎を入れて食べます。
トリカブトは猛毒ですが、使い方によってはものすごい効果が得られます。
僕も羊肉と附子のスープを作って食べましたが、作り方が良くなかったのか、超絶まずかったです。
娘たちも妻もほとんど飲まず、あの日以来このスープは我が家では呪われたスープとして封印されてしまいましたが…。
ただ、羊肉は美味しいので食べます。
産後に羊肉と当帰のスープを飲む習慣があるようです。
ただ、血を補う当帰を入れるとかなり漢方薬のにおいがするので、これは作ったことがありません。

 

そして、今日、久しぶりに家で肉を焼きました。
羊肉に塩とクミン(小茴香)、そして、カルダモン(豆蔻)を適量ふりかけます。
両方ともお腹を温め、消化を促し、気を巡らせる作用があります。
実は、カルダモンは間違えて入れてしまったのです。
カルダモンもクミンもインドカレーにスパイスとして入っていますからね。
美味しいに決まってますよね。
羊肉があまり好きではない妻に無理やり、いや…、愛をもって食べさせると「くさみが気にならなくて美味しい!」とのこと。
冬至の日にぜひ羊肉を食べてみてくださいね。
引き続き気を養い、美味しいものを食べて修行に臨んで参ります。

 

それでは、再見!

 

【中医基礎理論講座】次回、1月18日(土)

  • 経絡について
    「経」と「絡」の違い
    経絡と時間医学
    何時に寝ると回復しやすい?
    妊娠しやすい時間帯とは?
  • 六経について
    「カゼの引き始めに葛根湯」にウソ
    「今年のカゼは胃腸にくる」はウソ
    「今年のカゼは鼻かぜが多い」の大ウソ
    カゼの種類と症状、何が違うのか?
  • 病因・病機(病の成り立ち)
    なぜ、病気になるのか?
    病気の原因の種類
  • 治療
    様々な治療法、なにが違うのか?
    鍼と漢方どちらが効くか?
    「近距離攻撃」と「長距離攻撃」の違いとは?
    「刀」と「槍」はどちらが強い?
    「誓約」と「制約」(『HUNTER×HUNTER』より)
  • 養生
    健康でいる方法、古代中国人の智慧

【日時】1月18日(土)15:15~16:45
【参加費】5000円
【定員】20名
【場所】山下町118-2廣東會館(2階か3階会議室の予定)
【申し込み】Facebookメール、もしくは045-228-9601までお電話でお願いします。

本当にきれいなお肉です。 羊肉、最高。

クミンが好きなので、粉のものと原形のものを2種類使いました。 食べる時は青ネギをたっぷりとのせると美味しいです。 青ネギは丹田の気を補います。 そして、中が空洞なので経絡を通します。 これが我が流派の教えです。 何にしても美味しい!!

 

スパイスは適当に入れても美味しいです。 塩味はしっかり目につけると美味しいです。

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この記事を書いた人

傳統醫學研究所日色鍼灸院院長。
約10年の中国留学の後、横浜中華街にて開業。鍼灸学士、医学博士。
世界医学気功学会常務理事。

鍼灸、気功、徒手療法などの施術を中心に、養生(生活習慣)の取り組みから身体をサポートする。

プライベートでは、5人の子供の父親。

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コメント

コメント一覧 (5件)

  • 群馬県沼田市在住です。群馬県で講座があればぜひ参加したいです。肥満 身長155㎝ 体重73㎏ 腰椎椎間板ヘルニアで腰痛持ち 毎日痛み止め飲んでいます アレルギー性鼻炎 過活動膀胱 躁鬱病 躁鬱病になってから体重が15㎏も増えました 体調が悪くなると日常生活もままならな状態です 1日中寝ています 逆に体調がいいと動き回り腰痛に悩まされています 精神科のドクターは焦らずゆっくり行きましょうと言っています 今までに数えきれないほどダイエットに挑戦しましたがすぐにリバウンドしてしまいました。切実です。

    • コメントありがとうございます😊
      色々な症状に悩まれているとのこと。
      中国医学から見ると、病院ではわからないことが見えることがあります。
      そういうことに気付いていただくための一助になればと思い、中尉基礎理論講座を開催しております。
      今のところ群馬県で開催の予定はありません。
      すみません(o^^o)

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