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留学中のある出来事から、食べられなくなったものがあります…。

ニーハオ!ひいろです。
一日が終わって、食事の前に飲む一杯が最高に美味しいです!!
あ、お茶ですよ。
烏龍茶の一種、「岩茶」が身体に染み入り、元気が出ます!

さて、2003年の夏、高知に行きました。
世界に誇る東洋医学の書籍を扱う出版社、オリエント出版社の仕事をお手伝いさせて頂いた時期があります。
日本の鍼灸業界を自分の目で見ることが将来のためになりました。
本当に勉強になったひと時でした。

そこは、交通手段がバスしかないような場所だったと記憶しています。
所々に民家がありますが、辺りは山と川ばかり。
重たい荷物をカートに乗せて、張士堂院長の藤原大輔君と二人で歩き続けます。
真夏の日差しは強烈です。
ジリジリと僕らの肌を焼き付けます。
アスファルトからの照り返しは確実に体力を奪います。

橋に差し掛かると、下には生い茂った草の間を川が流れていました。
川の水が涼しげです。
せめて、視界だけでも涼しく過ごしたい思ったのでした。
ふと、川の中で何かが動いているのに気づきました。
細長い何かが動いています。
よく見るとうなぎではありませんか。
生まれて初めて野生のうなぎを見た瞬間でした。
二人して興奮しました。
どうやら四万十川の支流らしく、川の水が透き通っていました。
きれいな水には生き物が住んでいるのだな、と感じたのでした。
うなぎは二匹で仲良く泳いでいました。

空芯菜は美味しいです!!やっぱり中華料理大好きです!!

話は北京に戻ります。
北京日本人会に所属していた僕と藤原君。
ある日、日本人会の活動の一環で、食事会に参加しました。
ある日本人が北京でうなぎ屋を開いたということで、食事に行きました。
コース料理だったのですが、豪華な内装の部屋で一同楽しみに席に着きます。
そして、待ちに待ったうなぎが出てきました。
うなぎの天ぷらです。
お腹も空いており、料理の香りが食欲をかき立てます。
期待も高まり、さあ、一口目。

んんん??

口の中に広がるのは、ほのかな泥の香り…。
残念ながら、美味しいとは言えませんでした。
藤原君とはあとで話したのですが、全然料理を楽しめなかったと。
皆さん、お酒も入っているためか、それとも社交辞令なのか、美味しいと言って召し上がっていました。

それから、数年が経ちました。
北京中医薬大学に入学してから、台湾、香港の友人たちと日本料理を食べに行こうという話になりました。
台湾、香港でも日本料理は大人気。
親日家も少なくありません。

お店のシステムは食べ放題だったと記憶しています。
皆、メニューを見て注文します。
台湾の友人が言います。

「吃鰻魚哦~!!」訳:うなぎを食べよう~!!

この食事会の数年前に、すっかりうなぎによる心の傷を負った僕です。
気は乗りませんが、好き嫌いを言ってはいけません。
せっかくの楽しい食事会ですから。
うなぎのかば焼きが出てきました。
台湾の友人は、さらに言います。

「超好吃!!」訳:超おいしい!!

えっ??美味しいの?!
みんな美味しいと言っているので、僕はひと安心。
一口、うなぎを食べました。

んんんん!!

口の中に広がるのは濃厚な泥の香り!!!
残念ながら、この時は本当に一口も食べられませんでした。
これですっかりうなぎが嫌いになってしまいました。
だって、泥の味しかしないのですよ…。

『美味しんぼ』ならば、うなぎ料理で僕を接待するにはどうしたらいいだろうか?と山岡さんが必死で考えてくれるのでしょうけど、現実問題として、実生活でうなぎを食べなくてはならない状況が今のところ全くないので、残念ながら山岡さんが登場する機会もありません。

うちの両親はうなぎが大好きなのですが、ある時、金沢八景で美味しいうなぎ屋さんを見つけた、と喜んでいました。
なぜか、僕の知らないうちに、妻はその店に連れて行ってもらっていたので、疎外感が全くないと言えば噓になります…。

「第二次鰻事変」以来、テレビでうなぎ屋が扱われていても食べたいと思ったことが一度もありません。
あれから、十年です。

そういう訳で、僕のうなぎに対する感じ方にクーデターを起こしてくれるお店を探しています。
クーデターが起きる日が来ると思うとワクワクします。

というのも、最近『蒼太の包丁』という日本食の料理人の修行を題材にした漫画にはまっています。
治療に通じるところが至る所に出てくるので、非常に面白いです。
熱血、興奮、笑いもありますが、涙なしでは読めません。
感動の物語です。

ひいろと言えば、「カレーか中華か、時に麺類」、とちまたでは思われているようですが、最近和食が食べたい気持ちが日を追うごとに増しています。
少しずつ、何かが変わってきているのを感じています。

それでは、今日はこの辺で失礼します。
再見!!

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この記事を書いた人

傳統醫學研究所日色鍼灸院院長。
約10年の中国留学の後、横浜中華街にて開業。鍼灸学士、医学博士。
世界医学気功学会常務理事。

鍼灸、気功、徒手療法などの施術を中心に、養生(生活習慣)の取り組みから身体をサポートする。

プライベートでは、5人の子供の父親。

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