【中国で救急車に乗りました…】

ニーハオ!ひいろです。
今日は意外と涼しかったですね。
夏は始まったばかりなので、油断はできません!!

さて、出先で救急車を見かけることが多い気がします。
もしかしたら、暑さのため出動する機会が増えているのかもしれません。

今日、五反田に修行に行ってきたのですが、そこで救急車を見かけました。
その時に、中国であった話を思い出したので、お伝えしたいと思います。

2004年だったと思うのですが、北京に留学中に参加した中国研修の時に起こったお話です。

三月は毎年恒例の研修会があるのですが、日本から鍼灸師や鍼灸学校の学生が北京に来て参加します。
前半は中国各地の高名な鍼灸医を招聘して実技を交えた講義をして頂きます。
後半は北京市内の病院・教育機関の見学をします。
私は研修会で通訳をしていたのですが、少林武術学校という武術を学ぶ学校に見学に行った時のことです。

リムジンバス2台で武術学校に到着しました。
参加者は100名近いです。
大勢いるので、まずはトイレ休憩。
その後、大会場に移動して、武術の演武を見学します。
そこでも通訳の仕事があります。

参加者がトイレから戻ってくるのを待っていると、後輩から電話がありました。

後輩:ひいろさん!ともこさんが!!大変です!!トイレの前にすぐに来てください!!
ひいろ:えっ!!ともこさんが?!

実は、「ともこさん、誰??」と内心思っていたのですが、後輩の勢いで知った風な口をきいてしまいました…。

後輩が待つトイレの前に行くと、ともこさんが気を失って倒れているではありませんか。
よく見ると額から流血しています。

この中国研修、内容が超濃厚なため、後半戦が始まる頃には参加者の疲労はピークに達しています。
連日研修の疲労により、貧血で気を失って転倒した際に、壁の角に頭をぶつけてしまったのです。

そのまま動かさずに状態を確認します。
しばらくすると意識を取り戻したのですが、流血しています。
マイクロバスの運転手さんが救急車を呼んでくれました。

しかし、救急車は一向に来ません。
20分経っても来ないのです。
重症だったら大変なことです。

すっぽんラーメン!!すごく濃厚な味でした。お店の中には「できるだけ多くのスープを飲んでください。滋養強壮にいいですので」と説明書きが。スープを飲み干しました!!独特な風味でした。すっぽんの料理を食べたのは14年ぶりでした。

救急車がようやく到着します。
女性医師が降りて来て、傷口を確認すると「それでは、救急車に乗ってください」とケガをしているともこさんを歩いて移動させようとするのです。
つい先ほどまで意識を失っていた人をです。
これは危険なので、すぐにストレチャーを用意してもらうように伝えました。

ここで問題がありました。

武術の演武を誰が通訳をするか、ということです。
演武の通訳は誰がするのか?
救急車に乗って病院に行き、通訳をするのは誰か?

後輩の誰かを救急車でともこさんに同行させるのは心配だったので、私が行くことにしました。
演武の通訳は後輩の誰かにやってもらうことにしました。
急いで病院に行ってもらうことにしました。

しかし…。

救急車は大渋滞に巻き込まれます。
しかも、救急車はそれほど急ぐ感じでもありません。
これが重傷を負った人ならば、と考えるだけでも恐ろしいです。
タクシーの方がまだ急いでくれるかもしれません。
幸い、嘔吐、めまい、頭痛がないのでひとまず安心です。
点滴をしながら、ともこさんは休んでいます。

向かうのは中日友好病院。
三甲級(最高級)の病院です。
救急車はようやく病院の西門に到着しました。

しかし、渋滞のため中に入れません。
仕方がないので、ここで降りて国際診療部に行かなければなりません。
ストレッチャーを押すのは、もちろん私です(笑)。

女性医師には点滴の瓶を持ってもらい、頑張ってストレッチャーを押す私。
生まれて初めての経験です。

西門から国際診療部まで距離があるため、ここで15分経過。
実は、この病院には東門があります。
東門には車が入れて、入り口のすぐ側に国際診療部の受付があります。
救急車の運転手はこの重大な事を知りませんでした。

ついに国際診療部に到着。
すると、女性医師が救急車の費用を請求してきました。

ここは中国。

日本という国は、救急車に無料で乗れるのですから本当にありがたいですよね。
しかも速いですし。

負傷したともこさんは診察を受けました。
傷口が目の近くであるために、眼科医の診察を受けることになりました。

しかし、眼科医は現在、外来で診察中。
今度は眼科医が来るのを待つことになりました。
どのくらい待ったのか、ようやく眼科医が到着。
年配の女医さんで、非常に親切な方でした。

女の子だから傷が残ってはいけないから、細かく縫いますね。
そうすれば、傷痕が残らず治る可能性が高いです。
帰国したら形成外科に行ってくださいね。

ともこさんはようやく安心したようでした。

その後、眼科医の女医さんの処置が良かったのでしょう、傷は残らず完治したのでした。

それにしても、救急車の速度と対応には驚かされました。
傷口がもっと大きく、重症だったらと思うとどうなっていたのでしょうかね…。

結局、通訳を担当した後輩も、救急車に乗ってストレッチャーを押した私も少しだけ成長する機会を得たのでした。

そういう訳で、ケガをしないように気を付けましょう!!

(劇終)

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この記事を書いた人

傳統醫學研究所日色鍼灸院院長。
約10年の中国留学の後、横浜中華街にて開業。鍼灸学士、医学博士。
世界医学気功学会常務理事。

鍼灸、気功、徒手療法などの施術を中心に、養生(生活習慣)の取り組みから身体をサポートする。

プライベートでは、5人の子供の父親。

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