北京で出産!団結湖婦産病院にて。通院篇

ひいろです。
昨日から妻と娘たちが帰省しています。すでに寂しいです。
でも、せっかくなので一人の時間を楽しみたいと思い、夕食は一人焼肉のお店に行ってきました。
野毛にある一人焼肉のお店です。立って焼き肉を食べたのは初めてです。
味はまあまあなのですが、色々と微妙だったのでもう行かないと思います…。今度は座って食べたいです。
それから、食後のデザートはラーメンを頂きました!

さて、今日は留学中の出来事をご紹介します。
実は、僕は学生結婚をしています。
大学院に行っている時に結婚しました。
結婚しないで勉強しろよ、と言われそうですが、まさにその通りですね。

2009年の6月に長女が生まれました。
妻とは帰国して出産するのか、北京で出産するのか話し合いました。
僕がどうしても立ち合いたいということで、妻は僕の意見を尊重してくれました。
産むのは妻なのですが、彼女は度胸があります。
それならば、どこの病院で出産するのかを話し合いました。
複数の候補がありました。

外資系は経済的に無理でした。仮に帝王切開の場合100万円近くするというのです。
別の外資系は検診はやっているのですが、出産はやっていませんでした。
日本の出資で建てられた中日友好病院は、すぐに帝王切開するということだったので止めました。
そして、北京では最大の産婦人科の専門病院である「団結湖婦産病院」で出産することに決めました。
多い時では一晩で30件の出産があるそうです。
日本語ができる中国人の先生がいたので、知人に紹介してもらい診察してもらえることになりました。
主治医の先生は日本に留学経験があり、妻は日本人ということもあり、診てもらうことができました。

北京婦産病院。右奥が病棟と分娩室がある建物。右奥が外来。ちなみに、2015年3月に撮影。ポーズはジャッキーチェンの酔拳をイメージしたものです。

本当にありがたいことです。

中国では病院に行く際、紹介があるか、ないかは大きいです。
中国の病院で診察を受けるためには、診察料とは別に受付で指名券(挂号)を購入する必要があります。
しかし、一人の医師が一日に診られる人数には限りがあります。
おそらく、一つは診療の質を保つために指名券(挂号)が導入されているのではないでしょうか。
指名券(挂号)を購入するためには早く並んで手に入れるしかありません。
つまり、早い者勝ちです。
そこに仕事が生まれます。
「号贩子」(代行で購入してくれる人)です。
妻が入院していた時に目の当たりにしたのですが、なんと彼らは前日の夜10時には受付で並んでいるのです。
病院の入り口の広場では代行業者がチラシを配っているのです。
実は当時、中国では「号贩子」が「挂号」を横流しするということが社会的な問題になっていました。
それと同時に、偽物の「挂号」を使って診察してもらおうとする人も現れたのです。
実際、中国の病院で研修中に、現行犯が警察に取り押さえられている現場を目撃したことがあります。

妻が病院に行く時には毎回一緒に行きました。
一緒に行くのはいいのですが、中国の産婦人科は「男子禁制」です。
また、医師のほとんどが女性です。家族も診察室には入れません。
だから、僕は妻の診察が終わるまで、一階のロビーで歩いている妊婦さんを眺めて、「腰が痛そうだな」、「おなかが丸いな」、「お腹が張って固そうだな」など研究していました。
時には妊婦さんとそのお母さんの会話を横で聞いていました。

妊婦さん:「おなかは大きいのに、赤ちゃんはあまり大きくなっていないみたい」
お母さん:「あら、そうなの」
きっと羊水が多いのでしょうけど、それに比べて赤ちゃんが育っていなかったのかもしれません。
盗み聞きではなくて、ベンチに座っている横で話していたので、聞こえてしまっただけですよ。
だって、本当に隣に座っているのですもの。

病院のすぐ側にある「湘腸香火鍋」。モツが好きな方はぜひ!!麺がうまいです!

時には、超音波の検査のため、一時間半並んだこともありました。
長蛇の列で妊婦とその家族は立ったまま桃やさくらんぼや朝食を食べている人もいます。
北京は5月になるとすでに暑いです。食べ物と暑さと疲労のため気分が悪くなることもありました。
そのような環境なので、ある時一人の妊婦さんが気を失って倒れてしまいました。
旦那さんは奥さんの名前を呼びながら、鼻と口の間の溝にある「人中(水溝)」というツボを指で刺激していました。
人中というツボは気絶した際に用いるツボです。さすが中国だなと感じさせられた出来事です。
病院の鍼灸科で研修していた時もそうですが、中国は家族が付き添う率が非常に多いです。
だから、それだけでも人が二倍になるのです。

尿検査も一苦労です。
尿検査の容器が異様に小さいのです。
傘の柄ほどの細さで、底が細くなっているため、置くことができないのです。
また、トイレ事情にも困ったものです。
妊婦が通院する病院であるにもかかわらず、全て和式なのです。
しかも、容器や荷物を置く台もないのです。
まぁ、この容器なら台があっても置けませんが…。
ティッシュもトイレットペーパーもないのです。

もうね、人のこと全然考えてないですよ、これは…。
男性ならいけるでしょうけど、女性には無理だよ!!

100%尿が手に掛かる魔法の容器です。

本当に貴重な体験ができました。
今、当時を振り返ると面白いですね。

「出産直前篇」、「分娩室篇」、「入院篇」、「産後篇」も予定していますので、ぜひお楽しみに。

それでは、再見!!

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この記事を書いた人

傳統醫學研究所日色鍼灸院院長。
約10年の中国留学の後、横浜中華街にて開業。鍼灸学士、医学博士。
世界医学気功学会常務理事。

鍼灸、気功、徒手療法などの施術を中心に、養生(生活習慣)の取り組みから身体をサポートする。

プライベートでは、5人の子供の父親。

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