冷やして治す??その結果は如何に??

ひいろです。
家には寝に帰っているだけなのに、なんだかものすごく部屋の中が散らかっています。
これは新手の幽波紋(スタンド)攻撃を受けているにちがいありません。
『ジョジョ』を読まれていなかったら、すみません…。

さて、中国医学の治療の大原則「寒者熱之、熱者寒之、温者清之、清者温之…」(『素問・至真要大論』)があります。
つまり、「(病の性質や症状が)冷えている場合は熱くし、熱ければ冷まし、温であれば涼しくし、涼しければ温める…」ということです。
非常にわかりやすい考え方ですよね。

基本的に、僕の治療方針は気血の流れを改善し、内臓の疲労を解消し、骨格を調整し、温めることをします。
温めることはあっても冷やすことはありません。
賛否両論あると思いますが、センナや大黄、ケツメイシ、アロエのように身体を冷やすような治療法はしませんし、現代人にはほとんど必要ないと思っています。
日々の診療の中で冷えによって体調を崩している人が本当に多くて驚いています。
ですから、身体を内と外から温めてあげることが健康回復の第一条件と考えています。
もちろん、『素問』にも記載があるように「熱者寒之」、「温者清之」のように熱を持っている症状や病気は冷やす治療が必要なこともあるでしょう。

実は、昨日の夜、身体を冷やす治療を受けてきました。

その名も「クライオシャワー」。

ロシアと技術提携をする国内唯一の企業「サラヤ」に潜入体験してきました。

「全身性低温療法(Whole Body Cryotherapy:WBC)」という治療法で「液体窒素などの冷却材を用いて極冷却空間(-180℃~ -120℃)を作り出し、低温環境によって引き起こされる身体反応に基づく理学療法のひとつです。
医療に限らず、美容、スポーツ分野などでも活用されています(引用元サラヤHP)」というのです。

要は身体を冷やして中枢神経を刺激して、自然治癒力を高める方法です。

もともとはリウマチ、硬直性脊髄炎、アトピー性皮膚炎やケガの回復に使われているそうです。
その他にも婦人科疾患や男性ホルモンと関係した疾患の治療、また、髪の毛が生えてくる効果もあるそうです。

氷水のお風呂や氷枕などで全身または患部を冷やすと深部体温が下がってしまいます。

しかし、このクライオシャワーは深部体温を下げることなく、皮膚表面を冷却することで、その反動を利用して中枢神経を刺激することで毛細血管が拡張し、身体が回復するとういうのです。

ついに食べました!怪味麺!これはレギュラー入り決定でしょう!

実は、プロのアスリートたちが使っているというのです。
ロシアではサッカーチームが導入しており、麻薬患者の治療にも使われているそうです。
日本では国立スポーツ科学センターに導入されています。
なんと、無敗のまま五階級制覇を達成した、フロイド・メイウェザー・ジュニアも使っているというのです。

これはますます、興味が深まりました。

そして、いよいよ、クライオシャワーに入る時が来ました。
パンツ一丁になり、フェルト製の靴を履き、膝サポーターを装着します。
冷気は下にたまるので、足と関節を保護するためです。また、軍手をして腋の下に手を入れて、手も保護します。
木製のシャワールーム(?)に入るのですが、顔は出ているので安心です。

ただ、そこは-130℃の世界です。
どうなるのか、ドキドキ。
初心者は90秒入れれば十分ということでしたが、僕は120秒に挑戦。
窒素ガスが噴射され、いよいよ始まりました。
もうね、-130℃の世界、やばいですよ。
ものすごい恐怖心が生まれるのです。
皮膚も痛いし、これはどうなってしまうのだろうか?!という思いで一杯になります。

嬉しそうですが、凍えています…。時の流れが止まっているようでした…。

15秒で心が折れました…。

しかし、九州の伝説の人物が残した言葉を思い出しました。

物事はやるか、やらないかではない。やるか、もっとやるかだ。

よし!ここで負けたら男じゃない!と自分を奮い立たせます。
まぁ、全然勝ち負けの話じゃないんですけどね。

そこで、頑張ったのですけど、とにかく時間の流れが遅く感じるのですよ。
寒さで震えが止まらなくなり、歯はガチガチと緊張し続けます。

クライオシャワーに入る時は、安全のために必ず一人が外で監視しています。
今回、日本で唯一のクライオセラピスト直井真紀女史が安全確認をして下さっていたのですが、たびたび「無理ならば止めますよ。開けて出てこられますよ」と声をかけてくれました。

「ここで止めたら負けだ」

「寒いし、怖いし、出ちゃおうかな」

心の中のせめぎあい…。
効果のためには60秒以上入ることが望ましいそうです。

窒素ガスを浴び続けるのですが、まんべんなく身体を冷やすために自分で回る必要があります。
しかし、寒さのために身体を動かすのがつらいのです。
でも、動かないと、ガスの噴射口は一か所なので、ガスが当たり続けている個所がものすごく寒いのです。

もうね、本当にせめぎあいましたよ…。

だから、ずっと思い出しました、あの言葉。

「やるか、もっとやるか」

選択肢があるようで一択だから、やるしかないのです…。

120秒が終わりました。
終わった後もしばらくガタガタ震えていました。

次の日になるとより効果が感じられるということだったので、朝起きるのを楽しみにして眠りにつきました。
そして、朝起きてみると、この数年ずっと痛かった右の肋骨のあたりが、この数年で最も軽いのです。
これはありがたいです。

本来は1日2回を連続10日間やると効果を実感しやすいそうです。
現状はなかなか理想通りにやるのは難しいですが、機会があればまた挑戦します。
クライオシャワーに興味があれはサラヤ株式会社に連絡してみてくださいね。

「熱者寒之」、「温者清之」を体感?できて良かったです。

それでは、再見!!

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この記事を書いた人

傳統醫學研究所日色鍼灸院院長。
約10年の中国留学の後、横浜中華街にて開業。鍼灸学士、医学博士。
世界医学気功学会常務理事。

鍼灸、気功、徒手療法などの施術を中心に、養生(生活習慣)の取り組みから身体をサポートする。

プライベートでは、5人の子供の父親。

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