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ストレッチは身体にいいのか?というお話

ひいろです。
昨日まで暑いくらいのお天気だったのに、また肌寒くなってしまいましたね。
また体調を崩す人がいそうです。
カゼを引かないように気を付けてくださいね!

膝を痛めた原因とは?

さて、膝痛で治療に来ていた方がいるのですが、最近は調子が良く、膝のことを言っていなかったのですが、ある時突然、再び膝が痛くなったと言うのです。
何かしましたか?と尋ねると、特に変わったことは何もしていないというのです。
結果には必ず原因があります。
何かあるだろうと思ったので、さらに尋ねると、太もも全面が固いからいろんな人にストレッチして柔らかくした方がいいと言われたので、取り組み始めたそうです。
あ、ほらやっぱりという感じですよね(笑)。

それは、膝を立てたまま、膝を内側に倒すという内容のものです。
見た目が内股になり、ぶりっこのような格好になります。
その動作は大腿骨が内側にねじれ、股関節も内側にねじれます。
それに伴い下腿は外にねじれていきます。
簡単にいうと雑巾を絞るような感じになるので、当然、膝関節がねじれるので痛みが出やすくなります。
さらに無理すると靭帯、筋肉などを痛める可能性があります。

治療に来る方でストレッチをやって痛めたという人が本当に少なくないです。
腰痛体操の途中で腰痛になった人もいます。ギャクとしては相当センスがあります。
ちなみに、僕は腹筋を鍛えていたら腰を痛めたことがありますが、全然ダメですよね…。

どうも、頭で「柔らかくしなくては!」というのがあるようで、身体の状態が置き去りにされています。
身体の感覚を無視するからケガをするのです。
栄養をつけなきゃという思い込みで(もちろん食事は大切ですが)、お腹が空いていないのに食べてしまい、身体が重くなり、便秘や下痢するのと同じくらい害があります。

筋長一寸、寿長一年!

中国には「筋が一寸伸びると、寿命が一年伸びる」という言葉があるそうです。
ここでいう「筋」は「すじ」です。力こぶのような「筋肉(きんにく)」ではありません。
アキレス腱のような筋(すじ)や靭帯を指します。
筋は肝に属します。
肝は血を蔵します。
血がしっかりと筋を養えば柔軟性を得られるというのが中国医学の考え方です。
武術は「練血」です。
ですから、筋をしなやかに伸びやかにするように練習すればケガも少なくて済むでしょう。

ストレッチで腰痛が治る?

ある先生が腰痛は風呂に入った後に股割りして、ストレッチすれば治ると言われていましたが一ヶ月ほどやってもちっとも柔なくなりませんでしたし、腰痛に全く変化がありませんでした。
ストレッチが効かなかったのはのには、他に原因があるのだと思います。
古傷があると関節が固まって動きにくいことがあり、筋繊維が一部断裂していると動かしても思うように動きません。

何年も正座ができなかった方が、気功の練習の後に正座が突然でできるようになったことがあります。
気が通ったことで関節が柔なくなったと考えられます。
気がつまって流れが悪いと筋肉と関節の動きが低下するのも一つの要因です。

だから、ストレッチに取り組む前に古傷の治療をしないと気の流れが回復しないので、いくら頑張っても柔らかくならないようです。
僕はアスリート並みに色々ケガをしているので、経験的にそのように感じます。
まぁ、あくまで経験ですし、科学的な根拠がある訳ではありません。
しかも、アスリートでもないくせにケガばかりしてきたのは今日、治療や身体感覚の研究に活かせると慰めています…。

蘭州名物「牛肉麺」。何回も登場しますが、違うお店の拉麺です。「拉」は「伸ばす」、「引く」という意味がありますが、ストレッチは中国語で「拉筋」です。ちょっとかけてみました…。ちなみに、牛肉面はさっぱりしているので、食べやすいです。牛肉のスライスをトッピングするとより美味しく食べられます。蘭州では食べ終わった後に2軒ハシゴすることもありました。蘭州にいた約一年で、単純計算すると900食は麺を食べました。「400戦以上無敗」の伝説の男のようですが、これからは僕のことを「一年で900食以上麺を食べた男」と呼んで下さい。いやぁ、26歳の時、すごい生活をしていましたね…。でも、中国西北地域の麺は美味しいですよ!!

構造と機能

例えば、何らかの原因で道路に穴が空いたり、アスファルトが剥がれて大きな水溜りができていたり、地下の水道管が破裂して水があふれているような状況では、人や車が通行しにくいですよね。
そこで、いくら交通整理してスムーズに通行を良くしようにも限界があります。
まずは、道路状況を整備することが先決です。ただ、道路の破損状況により工事に要する時間が変わってきます。

人の体も同じです。
通常、過去に受けたダメージが大きければ回復に時間がかかるのです。
理論上は上記の内容に間違いないと思います。

身体をリセットするセッション

昨日受けたセッションは僕の身体の癖を取り除いて、元々持っている自然治癒力が使える状態を思い出させるのです。
セッション中に、体に触れて余計な負担を取り除いてくことをしていきます。
そうすると少しずつ呼吸が楽になり、足が軽くなっていくのを感じます。
フラットな状態に戻っていくと言えるでしょう。
治療ではなく、体の緊張に気づき、体が元に戻っていく感じです。
体がものすごく良い治療を受けた後のような感じでした。
そうなると治療とは何なのだろう?考えさせられてしまいました。

ところで、今年のはじめにある先生の治療を受けました。
僕の体は至る所で筋繊維が断裂しており、第五腰椎がグラグラになっていると言われました。
この凄腕の先生に筋繊維の損傷を修復してもらい、グラグラな腰椎を固定するという治療してもらうと、三日間、腰痛をほぼ感じなかったのです。
これは2007年腰痛と坐骨神経痛を発症してから、痛みを感じない日は一日たりともありませんでした。
今回の身体感覚をフラットな状態に戻すセッションはその凄腕の先生の治療を受けた後のような感覚でした。
治療をしていないのに治療を受けたような爽快感と痛みがなくなるというのは本当に不思議です。

そうなると古傷があるから身体がうまく働かないという論だけでは説明できなくなります。
要は身体が回復しようとする力は例外なく万人が持っている力であるので、その力をしっかり働くようにしてあげるための手段は何でもいいのだろうな、と感じたのでした。

ようやく構築された新たな見解も、あっという間に崩されます。
本当にそれの繰り返しですね。
去年は何回ぶっ壊されたことでしょうか…。

そういう訳で、引き続き修行に励んでまいります!!

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この記事を書いた人

傳統醫學研究所日色鍼灸院院長。
約10年の中国留学の後、横浜中華街にて開業。鍼灸学士、医学博士。
世界医学気功学会常務理事。

鍼灸、気功、徒手療法などの施術を中心に、養生(生活習慣)の取り組みから身体をサポートする。

プライベートでは、5人の子供の父親。

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