慢性上咽頭炎に対する鍼灸治療について解説|横浜の日色鍼灸院

細菌やウイルスに感染すると、のどの上部にあたる上咽頭が炎症を起こして、のどの痛みや発熱、咳などの症状つながります。

これは上咽頭炎と呼ばれ、症状が長引くことで慢性上咽頭炎につながることがあります。

慢性上咽頭炎が悪化すると、炎症による全身の不調や自律神経の乱れにつながることがあるため注意が必要です。

すでに次のような、慢性上咽頭炎による症状で悩まされている人も多いのではないでしょうか。

「風邪のような症状がなかなか治らない…」

「のどの痛みだけではなく、めまいや頭痛を感じるようになってきた」

この記事では、上咽頭炎の症状や慢性と急性との違い、原因について解説します。

また病院で受けられる治療法と鍼灸治療の両方を紹介するので、参考にしてください。

当院では慢性上咽頭炎に対する専門の鍼灸施術を行っているので、つらい症状でお困りの場合は、どうぞご相談ください。

目次

慢性上咽頭炎とは

慢性上咽頭炎とは、上咽頭が持続的に炎症を起こした状態です。

上咽頭炎になると、患者さんはのどの奥に痛みや違和感を覚えますが、上咽頭は意外にも鼻の奥にあります。

上咽頭

上咽頭はのどちんこ(口蓋垂)の後ろ側に位置し、外気にさらされるため、乾燥や異物による刺激で炎症を起こしやすい部位です。

次に上咽頭炎の症状についてみていきましょう。

上咽頭炎の症状

上咽頭炎の症状は次のとおりです。

  • 朝起きると痰がからむ
  • のどがイガイガする
  • 止まらない鼻水
  • 長引くセキ
  • くり返すカゼ
  • 長引くカゼ
  • のどがいつも痛い
  • むせやすい

慢性と急性の上咽頭炎はともに、はじめは上記の症状で悩まされますが、両者の特徴には違いがあります。

次に慢性上咽頭炎と急性上咽頭炎の違いをみていきましょう。

上咽頭炎における慢性と急性の違い

急性上咽頭炎は症状が短期間で、上咽頭部にウイスルや細菌が感染して発症することの多い疾患です。

ウイルスや細菌を体から排除され風邪が治癒すると、症状も治まります。

風邪とウイルスの関係については、次の記事を参考にしてください。

関連記事:カゼ、ときどき発熱、のち解熱剤、からの鍼灸治療…。

それに対して、慢性上咽頭炎は急性上咽頭炎が治りきれなかったり、細菌やウイルスによる感染以外のさまざまな原因が影響していたりする点が特徴です。

原因がさまざまであるため、風邪が良くなったあとも、継続的にのどの痛みや発熱、頭痛、倦怠感、咳などが続くことがあります。

原因としてさまざまな可能性が考えられる分、急性上咽頭炎よりもやっかいな症状といえるのかもしれません。

次に慢性上咽頭炎で考えられる原因について詳しく見ていきましょう。

慢性上咽頭炎の原因

慢性上咽頭炎の原因は次のとおりです。

  • 細菌やウイルスの感染
  • ストレスや疲れ
  • 口呼吸
  • 「食事」の不摂生

各原因について解説します。

細菌やウイルスの感染

細菌やウイルスに感染して急性上咽頭炎になり、その後も炎症が継続することで慢性上咽頭炎になることがあります。

とくにのどが乾燥したり、体が冷えて免疫が低下したりすると、細菌やウイルスによる上咽頭部の症状が長引きます。

室内を加湿したり、体を冷やさないようにしたりして感染対策をすることが大切です。

ストレスや疲れ

ストレスや疲れがたまると、自律神経が乱れて上咽頭部の炎症が慢性化することがあります。

自律神経系と免疫系は相関していることが、最近の研究で明らかになってきました。

実際にめまいや片頭痛などの自律神経症状を持つ患者さんのなかには、しばしば上咽頭炎が見られることがあります。

さらに上咽頭炎が自律神経の乱れを引き起こすともいわれています。

そのためストレスや疲れで慢性上咽頭炎を発症すると、自律神経の乱れが治りづらくなり、悪循環に陥ることもあります。

口呼吸

口呼吸をすると、空気中のウイルスや冷たい空気が直接のどにあたるため、上咽頭炎を引き起こしやすくなります。

一方で鼻呼吸であれば、空気中に漂う雑菌やほこりをろ過した後に、咽頭部へ空気を送り込めます。

つまり口呼吸の場合、鼻呼吸で取り除かれるはずの異物を直接咽頭部に送ることになるため、上咽頭炎につながりやすくなるのです。

日常的に口呼吸をしている方は、鼻呼吸を習慣づけることも大切でしょう。

「食事」の不摂生

食事の不摂生で、上咽頭炎が慢性化することもあります。

とくに、次のような食品のとり過ぎには注意しましょう。

  • 砂糖
  • 小麦
  • 乳製品
  • カフェイン
  • アルコール
  • 揚げ物 など

慢性上咽頭炎が悪化するとどうなる?

慢性上咽頭炎が悪化すると、のど以外の全身症状が現れたり、自律神経が乱れたりします。

全身の症状が現れる

慢性上咽頭炎が悪化すると、上咽頭部で活性化されたリンパ球や単球などの免疫、およびサイトカインなどの炎症物質が血流に乗って全身に運ばれることになります。

その結果、腎臓や関節、皮膚などに炎症が起きやすくなるのです。

炎症が悪化すると、腎炎や関節炎、皮膚炎などの疾患を引き起こすこともあります。

このように、慢性上咽頭炎が長引くことで免疫システムに狂いが生じて、自己免疫疾患の病態へとつながることもあります。

自律神経が乱れる

慢性上咽頭炎が自律神経の乱れを起こす理由は、はっきりとはわかっていません。

しかし上咽頭は自律神経の中枢である視床下部の近くに位置するため、上咽頭部の炎症が視床下部になんらかの影響を与えて自律神経が乱れるとも考えられます。

下の図に示すように、視床下部は脳の中でも比較的下方に位置していて、上咽頭部に近い状態といえます。

自律神経が乱れると、めまいや頭痛、吐き気、倦怠感、食欲不振、便通異常、うつなどのさまざまな症状に見舞われます。

さらに病院で検査を受けても異常が見当たらないため、対処法が見つからない場合もあるのです。

慢性上咽頭炎に対する病院の治療方法

慢性上咽頭炎について病院に相談すると、Bスポット療法や鼻うがいなどの治療を受けることが一般的です。

Bスポット療法

Bスポット療法とは、塩化亜鉛溶液を染み込ませた綿棒で、直に上咽頭に薬液をこすり付ける治療法です。

東京医科歯科大学元教授の口申作東氏によって考案された方法で、現在はEATと呼ばれることもあります。

10~15回の目安で治療が行われているようです。

鼻うがい治療

鼻うがい治療では生理食塩水や梅エキスを鼻から取り込み内部をうがいして、上咽頭の炎症を改善させます。

自宅で簡単に実施できるため、鼻うがいの自宅向けキットを販売しているクリニックもあるようです。

しかし以上の病院で行われる治療法では、慢性上咽頭炎が改善されないこともあります。

そのような場合は、鍼灸を受けて改善を目指すのも1つの手段です。

当院の慢性上咽頭炎に対する鍼灸を使った治療方法

当院では慢性上咽頭炎に対して鍼灸による治療を行っています。

全身調整や鼻みがき、養生法のアドバイスで症状の改善を目指しますので、慢性上咽頭炎お悩みの場合はどうぞご相談ください。

全身調整

以下を目的に鍼灸で全身を整えていきます。

  • 血流の改善
  • 体温を上げる
  • 内臓の調整
  • 自律神経系の調整
  • 骨格の調整

以上により、慢性上咽頭炎によるつらい症状の改善をサポートします。

全身調整が完了した後は、鼻みがきで局所の治療も行います。


鼻みがき

全身を調整した後、最後に20秒ほどの時間をかけて「鼻みがき」を実施します。

鼻みがきとは、綿棒や刺さない鍼を用いて、梅酢を塗り込みながら、のどの奥にあるコリ、ツボをやさしくマッサージする施術法です。

Bスポット療法と似たような方法ですが、鍼灸独自の特殊な道具を用いたり、自然由来の梅酢を使ったりしている点で異なります。

鼻の血流を改善することにより、鼻や目の症状がやわらぎます。

養生法のアドバイス

当院では生活習慣を変えることを前提にした施術を重視しています。

そのため、食事や運動、睡眠などに関する養生法のアドバイスにも力を入れています。

とくに次のような方は、鍼で改善が見られにくくなるので、生活習慣の見直しをご提案することもございます。

鍼で改善が見られにくい人

抗生剤を長期間服用している方(カビ、ウイルス感染の可能性がある方)

  • 薬を複数飲んでいる方
  • 夜更かし、夜勤が多い方
  • 生活習慣が乱れている方
  • 食生活が乱れている方
  • タンパク質不足の方

養生法を実施していただくと、鍼灸施術との相乗効果が期待でき、慢性上咽頭が改善する確率も高まるでしょう。

実際に生活習慣に取り組みながら、当院の治療を続けていくと、ほぼ100%の方に改善が見られます。

慢性上咽頭炎のお悩みは日色鍼灸院にご相談ください

慢性上咽頭炎は、風邪のときにおこるのどの痛みや発熱、倦怠感などが長期間続く状態です。

放っておくと、全身の炎症がひどくなったり、自律神経が乱れてめまいや頭痛、吐き気などのさまざまな症状に見舞われることがあるため注意が必要です。

慢性上咽頭炎は症状が軽くても早めに治療を受けることをおすすめします。

病院ではBスポット療法や鼻うがいなどの治療が行われていますが、症状が改善されない場合もあります。

そのような場合は、鍼灸施術を受けみてはいかがでしょうか?

当院では慢性上咽頭炎を専門に施術を行っており、これまでにも多くの方に症状が楽になっていただいてます。

つらい症状でお困りの場合は、お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

傳統醫學研究所日色鍼灸院院長。
約10年の中国留学の後、横浜中華街にて開業。鍼灸学士、医学博士。
世界医学気功学会常務理事。

鍼灸、気功、徒手療法などの施術を中心に、養生(生活習慣)の取り組みから身体をサポートする。

プライベートでは、5人の子供の父親。

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