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冷えと湿気とビールと夏バテ

こんにちは。
横浜中華街のひいろです。
北京に留学中、ジェット・リー(李連傑)氏の師匠呉彬老師の通訳をしたことがあります。
呉老師が言われていました。
「老中医在民間」(訳:老中医は民間にいる。大きな研究所や大学にはいないよ)
先日、日本においてもそうなのだな、ということを思い知った出来事があります。
これについてはいつか披露したいものです。

さて、毎日暑い日ですね。
6月下旬時点で、すでに夏バテしているという報告を続々頂いています。
早過ぎますよ。。。
というか、夏バテなんて僕はしませんよ。
なぜか?
今日は中国医学から見た夏バテ予防の方法をご紹介しますね。
もったいぶって、引っ張ることはしません。
答えは、「冷え」と「湿気」です。
タイトルですでにネタバレしていたわけですが、非常に簡単です。

最近、日色鍼灸院に来院される患者さんで最も多い症状。
それは…

  • お腹を壊している
  • 背中が痛い人(腰の上)
  • 便秘もしくは下痢
  • 身体が冷える
  • 風邪が治りきらない

です。

説明しますと、暑さに伴いクーラーで部屋をキンキンに冷やし、身体が冷えてしまいます。
オフィスや電車、バスの中でクーラーが寒いくらい効いているという話を毎日聞きます。
確かに、元町や横浜駅のモアーズの前を通るとお店から冷気がビュービュー噴き出していて、気持ちが良くて、お店の中に引き寄せられそうになります。

しかし、一日中冷えた部屋の中にいれば、身体の芯から冷えてしまいます。
冷えれば気血の流れが滞り、健康な状態から離れていきます。
それから、冷たい飲み物と食べ物。
暑いと汗をかくので、水分補給は必須です。
しかしながら、必要以上に飲むと体内に「湿」がたまっていきます。

部屋の中で湿気のある所にはカビが生えますよね。
排水溝に水がたまり続けると水は濁り、悪臭を放ちますよね。
これが身体の中でも起こると考えて下さい。

クーラー、冷たいビール、ジュース、アイスやかき氷の宣伝をよく目にします。
たまに食べるならまだいいものの、毎日食べていれば内臓がくたびれてしまいます。
最近、来院する方の背中のコリ感、張りは冷たいものや水分の摂り過ぎによる内臓の疲労であることが多いようです。
その証拠に舌を見ると真っ白な苔がびっしり!
これでは痛み止めや湿布を効くはずがありません。
当然ながら、病院に行っても「特に悪いところは見当たらないので、薬を出しておきますね」と言われる次第。
特に悪いところが見当たらないのに、とりあえず薬を出すって何なんですかね…。

そして、夏の暑さはきっとあと二ヶ月は続くでしょう。
それまで、身体を冷やすことをし続けるとどうなるか?
夏の終わり、秋の初め頃、必ず体調を崩します。
特に、ぜんそくなどの呼吸器系や乾燥肌や皮膚炎になりやすい人は要注意です。
風邪をひきやすい人も要注意です。
リウマチなどの関節痛は冬の寒い時期に悪化しやすいです。

なぜでしょう??

中国医学には「春夏養陽、秋冬養陰」という言葉があります。
夏の暑い時期こそ、身体を冷やさないように生命力の源である「陽気」を養う必要があります。
「陽気」の詳しい説明は別の機会にご紹介しますが、御幣を恐れずにいうと「身体を冷やさないようにしっかり養いましょう」ということです。

実は先ほど、夕食の時にすごい食べ方を編み出しました。
「もつ鍋風豚肉鍋」です。
これは妻がネットで調べて作ってくれたのですが、これは僕が考えたことではありません。

作り方は

  • ゴマ油で豚肉を炒める。
  • そこに水を入れて、鶏ガラ、塩、酒、砂糖(ほんのちょっとですよ)、醤油で味を調えます。
  • そして、ニラ、キャベツ、もやしをいれます。
  • キノコや白菜を入れても良いと思います。

兎に角、好きな野菜をなんでもぶち込んで下さい。

そして、これをお椀に入れます。
もちろん、スープも入れて下さいね。
そして、コショウをたっぷり入れます。
ここまでは以前も紹介したことがあります。
最後にあるものを入れます。
そうです。
お酢です!!

中国の山西省の黒酢を大さじ1~2杯入れます。
なんと!
この味は!!
酸辣湯(サンラータン)そのものではないですか!!

あまりの美味しさに「どうよ?この味?(超ドヤ顔の僕)」。
でも、妻に言われました。
「作ったのわたしやん(京都出身の妻)」。
返す言葉もありませんでした…。
米酢も試しましたが、今回の鍋の味には黒酢が断然あっていました。
最近、夕食は鍋が多いです。

中国医学では「冬病夏治」という言葉もあります。
「冬の病は夏に治療する」
治療をしなくても身体を養い、病の予防に大変有効なのです。
これが本当の予防医学ですよね。

最近、鍋料理を食べる機会が多いのですが、この三ヶ月で6~7㎏痩せました。
もちろん、中国医学の理論を元に色々やってみました。
もう少し(2~3㎏)いきたいと思います。
超簡単な方法ですが、もう少し研究してから発表したいと思います。

そういう訳で、再見!!

山西省は黒酢で有名です。ほのかに甘味があり美味しいです。余分な油を流し、消化を助けてくれます。「小葱」は「中が空洞になっているので、経絡を通し、丹田の気を補う」と師匠から教えてもらいました。どっさり入れて食べます。黒酢とコショウとネギの香りが食欲をかき立てます。でも、つい食べ過ぎてお腹が張ってしまいました…。

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この記事を書いた人

傳統醫學研究所日色鍼灸院院長。
約10年の中国留学の後、横浜中華街にて開業。鍼灸学士、医学博士。
世界医学気功学会常務理事。

鍼灸、気功、徒手療法などの施術を中心に、養生(生活習慣)の取り組みから身体をサポートする。

プライベートでは、5人の子供の父親。

プロフィールの詳細はこちら

コメント

コメント一覧 (1件)

  • 「もつ鍋風豚肉鍋」のネーミングが面白い!
    もつより豚肉の方が楽に買えるし、便利な鍋ですね。
    今年は暑いので、師匠の教えを守り、サンラータンで乗り切ります。

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