こんにちは。
横浜中華街のひいろです。
今日の横浜は大雨と雷がすごかったです。
涼しくなるといいのですが、かえって蒸し暑さがぶり返してきてしまいましたね。
さて、今回のロシア訪問のメインイベントとも言うべき、大学での講義はいろんなことがあって面白かったです。
今年2月末のロシア訪問の際に、食事中にロシア人の患者さんに気功の中国医学的な理論についてお話したところ「それ、面白いから、次回ロシアに来た時にマスタークラスで講義してよ。学長に話付けとくからさ」という軽いノリで、本当に大学で講義をすることになりました。
カザン東洋医学大学(仮)はソビエト連邦時代に設立された大学だそうです。
ロシアにおいて唯一の東洋医学の大学が本大学なのです。
ちなみに「カザン東洋医学大学(仮)」としているのは、日本語訳で見当たらないため、暫定的にこの名称で表記します。
おそらく、日本人でこの大学で講義をしたのはもちろん、立ち入ったのも私と通訳で同行して下さったM氏が初めてでしょう。
詳細はよくわかりませんが、鍼灸の「気」や「経絡」という概念は目に見えないので、ソ連時代はリフレクソロジーなどの枠組みの中に押し込められたそうです。
社会主義国は唯物論に基づくので、目に見えない存在を認めません。
中国でも、つい最近まで時間医学の「子午流注」や「霊亀八法」、そして、中国医学の理論の大本とも言える「易」については授業で一切触れることさえができなかったという話を鄭俊江先生に聞いたことを思い出しました。
カザンの大学で鍼灸を学んでいるのは現在20名ほど。
中には「手術はもうやり尽くしたので違うことをやりたい」という外科医もいました。
大変だったのは、漢字が全く通用しないということ。
漢字圏の人々には、例えば「百会」と表記すると「百回会う」とか、「たくさん交わる」という雰囲気が伝わりそうですが、ロシアではツボの名前を中国語のピンインをロシア語で表記します。
ですから、「百会」というツボを、ロシア人は「Баихуи」という音だかで認識しています。
だから、ツボについて話をする時に、なぜそのツボがそのような名前なのかを説明していると、それだけで時間ばかりが過ぎていきます。
これは想像以上に大変な作業でした。
日本では患者さんにも専門的な言葉を使わずに、中国医学の理論についてお話しする機会がありますが、それ以上に骨が折れました。
次回は授業の様子についてお伝えします。
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