ひいろです。
今日は朝から身体感覚を取り戻すためのセッションを受けてきました。
会場が浅草だったのですが、観光客らしい人であふれかえっていました。
ものすごい発見がたくさんありました。
そして、帰りは身体が軽くてウキウキして、午後から気功と武術の練習に行ってきました。
そこで、関節技の受けをやったのですが、危うく左手首をぶっ壊されそうになりました。
ちょっと焦りましたが大丈夫でした。
大学院での出来事
さて、2008年大学院博士課程後期の時のお話をご紹介します。
日本の大学院のシステムはよく知りませんが、北京中医薬大学では一年目は自分の専門分野に関する必修科目を勉強します。
僕は中国医学の基礎理論である文献研究を専攻していたので、『傷寒論』を学びました。
しかし、『傷寒論』を学んだことがない僕は、一年目に単位を落としてしまいました。
数人の先生が『傷寒論』について臨床の講義をされるのですが、漢方薬の臨床と『傷寒論の原文を知らない僕には非常に大変でした。
これも運命でしょう。
二年目に『傷寒論』を再履修したのですが、講師陣が変わりました。
これは、言い訳かもしれませんが、中国語は方言などがあり地方の人の言葉はかなり聴き取りにくいことがあります。
一年目の先生は訛りが強くて、講義を聴くのが本当に苦痛でした。
地方にいたこともある僕は外人にしては訛りにはけっこう強い方だとは思いますが、勉強するうえでは乗り越えないといけない問題ですね。
ありがたいことに、その先生が二年目にはいなくなりました。
あれから一年、中国語の能力に磨きをかけて授業に臨んだこともあったのでしょう。
先生方の講義が一年目より聴き取れます。
新たな講師、陳明教授
そして、新たに講師を務めたのは傷寒論教研室の主任だった陳明先生でした。
陳明先生は1962年生まれ、河南省出身、北京中医薬大学中医臨床基礎系教授、博士指導教官。中国医学の経典『傷寒論』の教育、研究に従事されています。
『傷寒論』の大家であり、全国人民代表大会代表を務められた劉渡舟(1917~2001)先生の弟子です。
驚愕の講義
大学院生の『傷寒論』講義は超人気の授業です。
80席ほどの教室に履修していない学生も聴講するので、150人以上が集まります。後ろでは立ったままノートを取る学生の姿があります。
これほど、人気の授業というのが日本の学校ではあるのでしょうか?
教室に姿を現した陳明先生は、ほろ酔い加減のような印象でした。
もちろん、飲んでいませんよ。
そして、話し始めると、同じく気だるそうな感じです。
大丈夫かな、この先生
と不安がよぎりましたが、講義が始まると驚きました。
口調はあくまでも、気だるそうですが、どことなく、老齢の漫才師のような感じです。
しかし、『傷寒論』の原文をスラスラとそらんじ、その条文ひとつひとつの症例を話すのです。
『傷寒論』への理解が深いだけでなく、臨床において、様々な内科疾患、婦人科疾患、時には奇病の治療の症例を事細かに、そして、『傷寒論』の観点から説明するのです。
しかも、噺家の落語を聞いているかのように、あふれる学生たちであふれる教室は笑いに包まれます。
決意
中国医学の基礎学問である『傷寒論』という専門的な話と臨床の話をこれだけ面白く、しかも爆笑を引き起こすなんて、すごいです。
本当に感動し、震えました。
その時、僕の中で「これをやりたい!」と思ったのでした。
もっと勉強して実力つけて、5年後にはこれをやりたいと思います。
功夫を積んで頑張ります!!
自強不息!!
再見!!
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