謎のだるさ、それの正体とは・・・機能性低血糖症??

最近、来院された中学生。
一年半の間、さまざまな病院に行き、さまざまな検査をしたのですが、異常が見つけられず、経過観察となっていました。

その症状とは

・朝のだるさ、頭痛、腹痛、学校に行けないなど・・・
・朝起きて頭痛がする、起きられない・・・

検査では見つけることができないし、周りの人からは見えないので、本人としては本当につらいです。

人によっては

・食後、猛烈に眠たくなる

冷や汗、動悸、息苦しさ

目の奥が痛む

イライラしやすい

焦燥感

不安感、気分が落ち込みやすい

集中力の低下

夜中に目が覚める

睡眠が浅い

不眠

朝起きられない

だるい

などの症状が現れることがあります

以上のような症状が慢性的に続いている場合、それは機能性低血糖症の可能性が考えられます。

清涼飲料水(0カロリーのものは人工甘味料が含まれるため耐糖能の異常に繋がる)をよく飲み、精製糖などを含むお菓子、パン・麺類などの小麦、乳製品を日常的に食べることによりミネラル、ビタミン不足になり、食べているけど栄養が足りない状態に陥ります。

最近は大人も子供も本当にこのような方が多いです。

だから、治療だけしていてもなかなか症状が改善されません。
みなさんが共通していうのは「色々治療に行ったけど良くならなかった」ということです。

それもそのはず。

生活習慣に問題があるのですから、治療をしても焼け石に水です。

例えるならば、コンサルタントが利益の出る仕事を持ってきても(治療、施術)、借金を抱えている会社(人の身体)において、社長が社員に内緒で借金をし続けている状態(何気なく色んなものを好きなだけ食べている)なので、借金はいつまで経っても減らない(症状が改善しない)というループに陥っているのです。

中国医学では

脾臓は消化器系全般の働きと考えます。
脾主運化(運:運搬、化:化生)
甘走脾(甘味は脾臓に走る)

ですので、甘味のものは過剰に摂取すると脾臓の動きを停滞させることになります。
朝起きられないのは「清陽不昇」、つまり、陽気が頭まで上がることができず起こる現象と考えます。

脾臓の気は上に昇り、胃の気は下降します。
脾胃は陰陽表裏であり、共に消化吸収の主な働きをしています。

脾主四肢(脾臓は四肢を主る)

なので、消化器系全般の機能である「脾臓」の働きが低下すると腕や足が怠いという症状も出現します。
ちなみに、精製糖、麺類、パン、乳製品は脾臓の働きを低下させる恐れがあります。

消化力と回復力が高い人は何を食べてもそれほど問題がありませんが、なかなか改善されない人は以上のものを避けるだけでもかなり身体が変わる可能性があります。

まずは23週間取り組んでみると面白い変化が見られるかもしれませんよ。
病気や不調は自作自演であることがほとんどであるようです。

ただ、悪気がある訳ではなく、なぜ不調が起こっているのか?に気づいていないため生じていると言っても良いかもしれません。
この学生さんは2回の治療で症状がすっかり良くなってしまいました。

呼吸が浅かったり、胸式呼吸になっていたり、首・肩の緊張が強いので体力を消耗しやすい状態ではありますが、食生活を改善して、身体と向き合ったことで一年半苦しんだ症状が嘘のように良くなってしまったのです。
包み隠さず言いますと、この学生さんは治療をしなくても食生活を変えるだけでも1ヶ月もあればかなり体調が改善したと思います(もちろん、ご本人にもお伝えしました)。
学生は勉強するから首肩のコリは解消してあげることが望ましいですけどね😊

ここで大きな問題として考えなければならないのは、どこの医療機関も一年半もの間、機能性低血糖が起こっていて体調が改善しなかったとう事実に気づけなかったことです。

ですから、私たちは自分自身でしっかりと正しい知識を学び、実践することが必要なのです。
治療も大切ですが、生活習慣、すなわち養生が非常に重要であると毎日治療をしているとつくづく感じます。

そういう訳で、これから梅雨が本格化します。
梅雨の養生については次回お伝えしたいと思います(たぶん、次回・・・)。

それでは、再見。

昔の人はこのように人体を捉えていたようです。

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この記事を書いた人

傳統醫學研究所日色鍼灸院院長。
約10年の中国留学の後、横浜中華街にて開業。鍼灸学士、医学博士。
世界医学気功学会常務理事。

鍼灸、気功、徒手療法などの施術を中心に、養生(生活習慣)の取り組みから身体をサポートする。

プライベートでは、5人の子供の父親。

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