関節痛、糖尿病と鍼灸治療。

こんにちは。
横浜中華街のひいろです。

先日、上海人の患者さんが来院されました。
60代女性。

足の関節が痛いというので問診すると、

足首が痛いし、足の甲も痛い。それから、膝も痛いし、股関節も痛いし、腰も痛いの。
それから、手首も痛いし、手の甲も痛いし、指も痛いの。
そうそう、肘も痛いし、肩も痛いの。
それから、首も痛いし、背中も痛いの。

と言うのです。
これは普通の関節痛ではないと思い尋ねると、やはり、病院でリウマチであると言われたことがあるというのです。

そして、何よりに気なったのが膝です。
膝のお皿がみえないくらいにお肉がたくさんついていました。
甘いものを多食している典型的な膝です。
芸能人でいうとTWICEの台湾出身のツウィさんの膝もお肉がついています。
あぁ、ツウィさん、甘いものが好きなんだな、と思いⅯステを見ていました。
Mステとはミュージックステーションのことですよ。

更に確認すると果物が大好きで毎日食べているというのです。
そして、冷たいものもよく飲むとのことでした。
もう一つ、重要なことですが、パンや麺も多食していました。
小麦は中国医学では「涼」の性質があるので、食べると冷えます。
更に、小麦はコーラを飲むよりも急激に血糖値が上がります。
果物、甘いもの、小麦、これではすい臓に負担がかかり過ぎます。
中国医学では甘いものを食べ過ぎると「脾」の「運化作用」が低下すると考えます。
要は甘いものを食べ過ぎることで消化器系の動きが悪くなると考えます。
結果、経絡の流れが滞り、全身の関節に痛みを感じていたのです。

中国医学の考え方に「不通則痛、通則不痛(通じなければ痛み、通じていれば痛まず)」というものがあります。
気がつまるから痛みがあるのであって、気の流れが良ければ痛みはでません。
こちらの患者さん、冷たいものも大好きです。
これではより気の流れがつまってしまいます。

養生指導としては、甘いもの、パンや麺などの小麦、そして、冷たいものを一切やめてもらいました。
あと三週間、日本にいるというのでこの期間は一緒に頑張りましょうとお伝えしました。
ここまで状態が悪いと、これらのもの食べている間は悪くなることはあっても良くなることはありません。

そして、2回目の治療の時、患者さんが言いました。

前回、治療をした後、気持ちが良かったです。
食べ物にも気をつけています。

とのことでした。

脈を診ると…、あれ??
右手首の消化器系の脈が緊張して細く浮いていました。
これは内臓が冷えている脈です。

ひいろ:昨日か今日、冷たいもの食べました?
患者さん:昨日、ビールを少し飲みました。
ひいろ:ビール、つめたいやないか~い。
患者さん:麺は食べてもいいの?
ひいろ:麺は小麦やないか~い。
患者さん:肉まんは?
ひいろ:肉まんも小麦やないか~い。お母さん、もうちょっと考えましょうよ…(汗)。

このやり取りを中国語でやっていたのですが、お母さん、上海語の方言が強いので時々聴き取れないこともあり、ちょっと大変…。
でも、中国語で会話をするのは楽しいです。

それから、重要な情報として、前回の治療後に大量にお通じがあったとのことでした。
これは、体内の邪気である「湿」と「冷え」が排出されたために起こった現象と考えます。
結果、非常にすっきりしたと言われていました。

この方は血糖値には異状がありませんでしたが、病院で糖尿病と診断されており、薬を飲んでいる人も治療を始めて1~2か月もするとHbA1cが下がり、血糖値が下がることは少なくありません。
おおよそ、主治医に今までで最高の状態であると驚かれるか、ほめられるようです。

境界型糖尿病の方は3~4週間生活習慣の見直しと週に一回の治療で今までで最高の結果が出たという方もいます。
要は、糖尿病の方は今までの生活習慣に問題があるので、それを改善すれば結果が出るのは当然です。
それに加えて、鍼灸治療を通して、悪くなった血流を改善してあげれば体調が良くなるのは当たり前です。
最も肝腎なのは、本人に良くなるためならば絶対に頑張ります!という気持ちです。

自分でこしらえた借金は自分でしか返済でません!
良くも悪くも全て自分に返ってきます!!
食べた物が今の身体を作っているのだな、と感じさせられる出来事でした。

そういう訳で、身体健康!!万事如意!!
再見!!

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この記事を書いた人

傳統醫學研究所日色鍼灸院院長。
約10年の中国留学の後、横浜中華街にて開業。鍼灸学士、医学博士。
世界医学気功学会常務理事。

鍼灸、気功、徒手療法などの施術を中心に、養生(生活習慣)の取り組みから身体をサポートする。

プライベートでは、5人の子供の父親。

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