アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎でお困りの方へ

アレルギー性鼻炎の基礎知識

アレルゲン(原因物質)の種類によって2つに分類されます。

①季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)
スギ、ヒノキ、ブタクサなどの植物の花粉によってくしゃみ、鼻水、鼻詰まりなどのアレルギー症状を起こします。

②通年性アレルギー性鼻炎
ダニ、家の中のホコリ(ハウスダストなど)、ペットの毛、フケなどによって喘息、アトピー性皮膚炎などを起こすことがあります。

毎年春になると花粉症に悩まされる人がいます。
スギ花粉症だけで1500万人、花粉症の総人口は2000万人とも言われています。つまり日本人の5人に1人が花粉症に悩まされているということになります(一説には4人に1人とも)。
年間、花粉症にかかる医療費は約2860億円と言われています。また、仕事に影響するなど労働損失費用は約650億円と言われています。

原因

花粉やホコリ、ダニなどのアレルゲン(原因物質)が鼻腔内の粘膜に付着することにより体内で抗体が作られ、マスト細胞と結合します。その後、再度アレルゲンを吸い込むとマスト細胞からアレルギー誘発物質が放出され、鼻水、鼻づまり、くしゃみなどのアレルギー反応が引き起こされます。

症状

くしゃみ、鼻水、鼻づまり(鼻の三大症状)
目の症状(かゆみ、涙、充血など)
のどのかゆみ
皮膚のかゆみ
その他には下痢、熱っぽいなどの症状がある人もいます。

病院での治療

アレルギー性鼻炎は耳鼻咽喉科、内科、眼科に行くことが一般的です。症状に応じて何科に行くか決めます。近年では子供の花粉症は小児科に通院する人もいます。
「くしゃみ」、「鼻水」、「目の痒み」、「のどの違和感」などの症状は薬で抑えることは出来ても、アレルギー性鼻炎が治るわけではありません。

当院での治療

アレルギー性鼻炎の症状が起こるのは自律神経系・免疫系・消化器系の機能の乱れにより起こります。
そのため、鼻や眼だけを治療するのではなく全身の調整を行います。

治療の目的は主に以下の通りです。
①内臓疲労の解消
②自律神経系の調整
③血流の改善
④骨格の調整

身体のバランスが調整されることで自律神経系・免疫系・消化器系の機能が整い、アレルギー性鼻炎の症状が改善されます。

鼻鍼法

全身を調整した後、最後に「鼻鍼」を施します。
およそ20秒ほどで終わります。
鼻の血流を改善することにより鼻や目の症状がやわらぎます。
「通鼻開竅」、「醒脳開竅」などの作用があり自然治癒力を発動させます。
それなりの痛みを伴います(海水が鼻に入ったような感じ)が、中には直後に「鼻がすっきりして気持ちがいい」という方もいます。
通常3~5回の治療で花粉症の諸症状に改善が見られますが、中には1回の治療で「その年は薬を飲まなくても大丈夫だった」という方もいます。

当院で使う鼻鍼は①軟鍼(紙製)と②硬鍼(ステンレス製)の2種類があります。
5年前とは異なり、現在は軟鍼のみを用いていますので、やさしく、可能な限り痛みを伴わないように治療します。
痛みが苦手な方には私が編み出した痛みを伴いにくい方法で治療します。

「鼻鍼法」を受けた方に共通して言えることは「花粉が飛んでいる時期なのに、薬を飲まなくても大丈夫」、「そう言えばくしゃみが出なくなった」などです。もちろん、治療効果には個人差があります。
効果があまり見られなかったのは、過去に交通事故で鼻骨を骨折したことがある方だけです。骨折のため、鼻鍼がうまく入って行かなかったためと思われます。
また、体力が落ちている方は回復しにくい傾向にあります。
花粉をアレルゲンと認知して体内で過剰な免疫反応が起こっているのが花粉症です。
このような過剰反応が起こるのは、身体のバランスが崩れているからです。
全身の状態、そして、鼻局所の状態を改善すればアレルギー性鼻炎の症状は良くなってきます。

治療を始める時期と予防

症状がある時に治療をするのが普通ですが、前もって予防を兼ねて治療することで症状が軽くて済みます。
症状がしっかりと出てから治療を始めると時間がかかることが少なくありません。
春の花粉症の場合、夏から治療を始めると翌年の春、症状が軽いか症状が出ません。
夏の間に冷たい飲み物(ビール、ジュースなど)や冷たい食べ物(アイス、スイカ、トマト、刺身など)を摂り、クーラーの効いた部屋にいる機会が多いと発症しやすくなります。
「症状が出てから治療を始める」のではなく予防に努めることで快適に生活することが可能になります。

また、揚げ物や辛いものを頻繁に食べると炎症が起こるので気をつけてください。
夜更かし、夜遊び、徹夜も生命力を消耗させ、アレルギー性鼻炎の症状が出やすくなるので要注意です。

中国医学から見た「原因」

治療を受けてもなかなか効果が現れにくい人は原因の除去ができていないからです。
・冷たいものの摂り過ぎが内臓が冷えている。
・ストレス(怒り、悲しみ、恨み、嫉妬、憎悪などの感情が強いと生命力が消耗するため回復しない)
・寝不足、夜更かしする機会が多い
・暴飲暴食

アレルギー性鼻炎を引き起こす原因になっています。
花粉症やアレルギー性鼻炎の患者さんに共通していることは「普段から冷たいものをよく取っている」ということです。10人に8~9人はこれに該当します。

「鼻鍼法」は花粉症だけでなく、「アレルギー性鼻炎」、「副鼻腔炎」などの疾患の方によく用います。その他にはカゼの諸症状にも常用します。

治療と生活習慣を改善することでアレルギー性鼻炎の症状は確実に改善されます。