ひいろです。
ブログを読んで下さっている方から声をかけて頂けることが多い今日この頃。
先日の記事に誤訳があったのを発見してくださった方が複数いたのにも驚きました。
けっこうしっかり読んで下さっているようで、嬉しいです!
ありがとうございます!
言い訳ですが、最後の方になってくると疲労してくるみたいです…。
まだまだ修行が足りません。
とにかく、頑張ります!!

さて、子供が病気をする姿は見ていて本当に心配ですよね。
発熱、咳、便秘、下痢、中耳炎など…。
今日ご紹介するのは「扁鵲三豆飲」という漢方の処方です。

世間では「漢方は長期間飲んでようやく効く」と言われることがありますが、それはイメージであった、正しくありません。
もちろん、体質や症状によりますが、早ければその日のうちに目に見えた効果があります。
そうは言っても、そのような印象がある漢方ですが、今回ご紹介するものは身近な食べ物です。

「扁鵲三豆飲」は、清末民国年間に活躍した白族の医家、彭子益(1871~1949)の著書『圆运动的古中医学』にある処方です。

この本は、僕はお会いしたことがありませんが、最も影響を受けた老中医の一人である李可先生(1930~2013)が世に広めました。
中医を学ぶ上で最初に読む本である、と言われています。
ちなみに、李可先生が一躍有名になった書籍が『李可老中医急危重症疑难病经验专辑』です。
医療機器がないような農村地域で国民の健康と病の治療だけを考えて臨床に当たられた李可先生は、祖国の中医界に一石を投じた名著です。
そこで紹介される症例のすべてが癌、腎臓病、心臓病、肝臓病、脳卒中、重症の消化器疾患などの重篤な疾患です。読んでいて涙が出てきますよ。
現代医学では治らなかった重症患者が、病の淵から奇跡的に生還する様子と、李可先生の中医に対する魂を感じさせられる必見の書です。

日本語でも訳本が出版されていますが、直訳のため、非常に読みにくいです。言ってくれれば、日本語の構成をやったのに…。
本当にもったいないです。
あ、すみません!李可先生の話になるとちょっと燃えてしまうのです。

ここまでの段落は、医者や治療家以外の方には関係ありませんでした。

普段は食べない海鮮拉麺。2杯食べないとお腹いっぱいにならない、上品な量でした…。でも、美味しかったです!!

「扁鵲三豆飲」は「三豆飲」とも言います。日色鍼灸院では「豆汁」、「豆ジュース」、「豆茶」、「豆のやつ」などと呼ばれています。

作り方は簡単です。
黒豆、大豆、緑豆を各20~30g用意します。
700~1000㏄の水で色が出るまで煮ます。
目安は20~30分ほど弱火で煮ます。

煮出した豆は、食べないで下さい。
基本的には煮だした豆汁のみを飲みます。
水の代わりに三豆飲を飲むと尚いいです。
ただ、必ずその日の内に飲み切ってください。
腐るのがものすごく早いですので。
暖かくなるこれからの季節は特に注意が必要です。

豆も一緒に食べるとお腹がパンパンに膨れて、ものすごく苦しいですよ。
もちろん、僕も自分で実験済みです。
超苦しいです…。

まぁ、とは言っても豆を捨ててしまうのはもったいないと思うので、次の日に黒蜜をかけて食べたり、ごま油と塩をかけて食べたり、カレーに入れて食べると美味しいですよ。
三豆飲の見た目は、具の入っていないお汁粉、ぜんざいに似ています。
若干グロテスクですが、味のないお汁粉という感じです。
飲みにくければ、氷砂糖を入れて煮ると美味しく飲めると思います。

処方と言っても豆汁ですので、安心して飲めます。
ただ、大豆アレルギーがある人は飲まないようにお願いします。
アレルギー反応が出てしまう人には向いていませんので要注意です。

また、中国では夏に、暑気払いのために緑豆の煮汁に氷砂糖を入れて飲みます。
しかし、緑豆は身体を冷やす性質があるので、胃腸が弱い人や虚弱体質の人は飲まないように気を付けてくださいね。
三豆飲は大丈夫ですよ。

『圆运动的古中医学』に三豆飲についての処方解説があります。
黄豆、黒豆、養木養中平疏泄、兼降胆経養津液、緑豆養木養中、兼清肺熱、故服之而癒。
なるほどねぇ!と思わずうなってしまいますね。
つまり、大豆、黒豆、緑豆は体力を補いつつ、胆経の気を下降させ、肺の熱を冷ますので回復する、というのです。

子供の病気の原因は「中虚而胆経相火不降」であると彭子益は言います。
わかりやすく言うと、「脾胃中焦の気が弱るので胆経相火が下がらない」ので発熱、手足が厚い、中耳炎、食欲不振などの症状が出るのです。

症例をご紹介します。
一歳の女の子が頻繁にカゼを引き、中耳炎を繰り返していました。
カゼを引くたびに病院に連れて行くのですが、薬を飲んでも中耳炎は全く治りません。
治ったと思うとまたカゼを引き、中耳炎になります。
それを頻繁に繰り返すというのです。
この無限ループ…。

中国医学から見ると治らないのは当然で、何が原因かもわかります。
中国で聞いたのですが、現代医学の薬は全て冷えるというのです。
また、現代医学的な考え方をすると全ての薬は肝臓、腎臓で解毒するので、内臓に負担がかかります。
さらに、抗生物質を飲むと腸内環境が悪化して消化器系に影響が及びます。
そうすると、食欲が低下するので自然治癒力も低下します。
そして、消炎鎮痛剤を飲むと体温下がるので、免疫力が落ちて、カゼを引きやすくなるのです。
なんか、新手の幽波紋(スタンド)攻撃を、気付かぬうちにくらっているようですね…。

現代医学では上記のように考えるかどうかは知りませんが、生理学、解剖学、免疫学、薬理学などの話を総合的に考えると、きっとこうやって病気になるのだろうな、と考えてみたので、本当にそうなっているかどうかはわかりません。
ただ、病院に行っても全然治らない子供を診ているとそのようなことが起きている感じです。

中耳炎が治らない一歳の女の子のお母さん。
この子のお友達が良くなったので、日色鍼灸院に来られたのですが、僕が治療していても半信半疑なのがものすごくわかりました。
え?治療はこれで終わり??という感じだったようです。
最初の治療で鼻水も出なくなり、耳を触らなくなったそうです。
三豆飲を飲み続けてもらいながらの治療。2回で完治しました。
何週間も薬を飲み続け、頻繁にカゼを引いていた体質も改善されました。
今までの症状が嘘のようだと驚かれていました。

別のお子さんの例ですが、ファロー四徴症という先天性の心疾患のため手術をした男の子がいました。
カゼが全く治らず、滲出性中耳炎が全く治りませんでしたが、気功点穴と三豆飲の併用ですっかり元気になりました。胸の手術痕も薄くなりました。

どのお子さんにも共通しているのは脾胃の機能が必ず低下していることです
これを元気にしてあげることで病気が回復しやすい状態を作るのです。

ただ、残念ながら最大の問題が一つあります。
それは豆汁の味が苦手な子は全く飲んでくれないのです。
飲んでくれないのでは治りません…。

ちなみに、うちの娘は三人とも飲んでくれません。
まぁ、うちの子らは元気なので飲む必要がありませんが、まずは僕と身内が実験代になりますからね。
三豆飲を飲んでくれればこっちのものだ、という感じです。

それから、補助的に長芋をスープに入れて食べさせるとより一層いいです。
『圆运动的古中医学』には「山薬収斂、併補土気」とあります。

大人でも同じですが、食欲がなかった人が、ご飯が美味しいと感じるようになり、食べられるようになれば回復して来たという証拠です。

と、言う訳で三豆飲、ぜひお試しください。
あなたも飲むといいですよ。

それでは、再見!!