ひいろです。
最近、感覚がズレているようで、うまく文章が書けないのですが、かなり気合を入れて書いています。
文体もまだ定まっていませんが、ファイトスタイルを確立できるように頑張ります!!

さて、中国医学では人体の構造を「形(けい)」と言い、機能面を「神(しん)」と言います。

例えば、心臓について語る時、心臓を栄養する冠状動脈がつまっている場合は「形」に問題ある訳です。
現代医学は、構造上に問題がある時にはその力を発揮します。
しかし、動悸がして、息苦しいという症状があっても、血液検査、心電図、CT、MRI、レントゲンなどの検査において全く問題がなかった場合にはどうすることもできません(この場合、抗不安薬や抗うつ剤だけでは原因の解決にはなりませんよね)。

「形(構造)」に問題がなく、「神(機能)」にだけ問題がある場合、往々にして鍼灸治療は非常に効果的です。
ただ、捻挫による関節のズレや脱臼など「形(構造)」に問題がある場合、鍼灸治療はあまり有効ではありません。

まぁ、これは僕の場合はですが。
鍼灸治療で脱臼を治せる方がいればぜひ教えて頂きたいです。
あ、いけない、鍼灸師は脱臼を治療してはいけませんね。

蒲田の中華料理屋さんの羽根つき餃子。この日は餃子20個とザーサイ3人前を食べました。ものすごく美味しかったですが、死ぬほどのどが渇きました…。

ところで、中国医学には骨折、脱臼、骨の炎症などの治療を専門とした「骨傷科」という分野があります。
手技療法で関節や骨折の治療をし、漢方薬でケガの回復を促す専門科です。
しかし、どういう訳か、現在の中国では鍼灸、漢方、骨傷科、推拿按摩科はそれぞれが自分の治療を行っています。
互いに提携し、各専門家が総合的な治療をすることもほとんどありません。

鍼灸と推拿按摩は大学では「鍼灸推拿系(系は日本における学部のようなもの)」はひとくくりとして教育体系が成り立っています。
しかし、病院に勤務する時は鍼灸科ならば鍼灸のみを、推拿科ならば推拿按摩のみを外来で行います。

実は、21歳の時に、僕の人生を変える出来事が起きました。

卒業を間近に控えた僕でしたが、部活の卒業旅行でスキーに行きました。
スキーは金持ちのやるものだ、という母の教えで生まれてから一度もスキーをやったことがありませんでした。
スノーボードは上達が早いと聞いたことがあったので、僕はこちらをやることになりました。
すると、一時間足らずの講習を受けると、自分でも驚くほど上達したのです。
そして、経験豊富な部活の仲間たちの後を追って急な斜面を滑りに行ったのです。
ぐんぐんと速度を上げ、風を切る肌寒さが心地よいのです。
一同、我先にと滑り続けます。
僕の脳からはアドレナリンがドバドバと出ていたことでしょう。

直後に、その時は訪れます。
ものすごい速さで滑り降りていく途中、何かに躓いたのです。
あれだけ出ていたスピードは一瞬にしてその勢いを完全に失ったのです。
固くなった雪の積もる大地に僕の右側の顔と肩が激しく打ちつけられました。
と、その時「ポキン」と渇いた音が耳元で聞こえました。
激しい痛みのため、動くことができません。
右腕を動かそうにも、痛みのためピクリとも動かせません。

これはやってしまった…。
どのくらいの時間、うずくまっていたのでしょうか。
ようやく身体を動かし、ゆっくりと起き上がり、右肩を触ってみました。
何とか動ける。
静かに一人皆が待つ山の麓に降りていきました。

その晩、整形外科医を父親に持ち、本人は病院のリハビリテーションで学ぶ部活の仲間に肩を診てもらいました。
「脱臼はしていないだろう」と言うのです。
脱臼している場合、肩の関節に段差生じるので、その所見はい受けられない、とのことでした。
ひとまず安心です。
ただ、その晩は痛みのため、寝返りをすることさえもできませんでした。

部活動から戻り、今は亡き母校・明治鍼灸大学付属病院の整形外科で診察してもいました。
レントゲンの結果、骨には異状ないとの診断を受けました。
今は亡き母校・明治鍼灸大学には付属鍼灸センターがあります。
せっかく、スポーツでケガをしたので、スポーツ傷害の専門家の先生に鍼灸治療をしてもらいに行きました。
整形外科での診断結果をスポーツ傷害の専門家に伝えると、それならば筋肉の損傷が原因だろうから、十日もすれば痛みは消えるだろうと言われました。

あの時、僕の腕がどのくらい動いたかというと、わずか30㎝ほどです。
太ももに手をくっつけた状態を0㎝とすると、そこから30㎝ほどしか動かすことができませんでした。
鍼灸治療を受けると40㎝くらいまで動くようになりましたが、手は肩より上に挙げることは到底できません。

それから数週間が経ちましたが、腕を挙げることはほとんどできません。
卒業後、地元の接骨院で働き始めた僕は、院長に雪山で転倒した時のことを話しました。
肩関節の脱臼に対する治療法があるから、と整復術を行ってもらいました。
その瞬間、ゴリゴリともゴキンとも似た音がしました。院長もその音に気付きました。
「今、音がしたな」と。

そうです、亜脱臼だったのです。
亜脱臼とは、脱臼とは異なり関節から骨が完全に外れた状態ではありません。
骨がズレている状態と考えてください。
トレーナー見習いはもとより、整形外科医、テレビや雑誌にも取り上げられたスポーツ鍼灸の専門家にも見落とされたのです。
一ヶ月間、亜脱臼を放置していたのですからその後遺症は計り知れません。
17年経った今も肩の動きに制限があります。

ロシアの水餃子「ペリメニ(пельмени)」。サワークリームをつけて食べるとさらに美味しいです!

正直、あの肩を診切るのは非常に難しかったと思います。
教科書で言うところの「炎症」も「圧痛」もなかったのですから。
確かに、後遺症は残りましたが、おかげで大きなことに気づけました。

それは、鍼灸では全ての症状は治せない、ということです。

当時の僕は鍼灸で治せない病気や症状はないと信じていたからです。
別にそのような体験をしたことがあったわけではないのですが、そのような気がしていたのです。
「骨がズレていたら、まずは骨のズレを治せばいいのか」と気付けたのです。
もちろん、脱臼は治せませんが、骨格の歪み、身体の歪みを調整することで気血の流れを疎通させ、自然治癒力を発動すれば、回復は早まるのです。

出典は不明なのですが、中国医学には以下のような言葉があります。

形不正則気不順、気不順則意不寧、意不寧則気必散乱。

形が正しくなければ気は流れない。
気が流れなければ意識は安らかではない。
意識が安らかでなければ気は必ず散乱する。

つまり、「構造」に問題があれば「機能」に影響するのです。
ですから、「形(構造)」に問題があるのか、「神(機能)」に問題があるのかを見極める必要があるのです。

中国医学では病を鑑別する際、「弁証(べんしょう)」という方法を用います。
それは「八綱弁証」、「六経弁証」、「経絡弁証」、「臓腑弁証」、「気血津液弁証」などです。
しかし、現在、中国医学では構造に関する話がほとんどありません。

そこで、僕の師匠はそのことに気づき「構造弁証」を新たに提唱したのです。

解剖学が非常に重要になってきます。
一つだけ言えることは、古代中国人は解剖をしなかったわけではありません。
2000年前の書物にも解剖学に関する詳細な記載があります。
今一度、中国医学に解剖学の重要性を合わせることで、更に治療効果が高まるであろう、と感じています。

もう、嫌って言うほど毎日未熟さを痛感しています。

とにかく、頑張ります!!

それでは、再見!!