横浜中華街のひいろです。
気がつけば1ヶ月以上ブログを更新していませんでした。
すみません…。

さて、アメリカで解剖実習に参加してきました。
「アメリカでハンバーガーを食べる」という夢が叶い、嬉しかったです。
どんなにささいな夢でも実現すると嬉しいですね。
でも、味は大したことがありませんでした(笑)。
日本の食事の美味しさを思い知るという結果が伴ったのも嬉しいです!

アメリカで食べたタコスは美味しかったです!!飲み物はもちろん、ドクターペッパー!だって、「ドクター」ですから、飲めば飲むほど元気になるはずなので。

1月14日に渡米し、15日から5日間、解剖実習をしてきました。
なぜ、アメリカなのか?と言いますと、「冷凍献体」の解剖というのが非常に重要な事です。
つまり、ホルマリン処理していないご献体なので、組織をそのまま確認することができるのです。
私も大学時代、解剖実習がありましたが、ホルマリン処理を施すと、身体の状態がかなり変わってしまいます。
冷凍体の解剖はアメリカでも数カ所でしかできないそうです。
鍼灸師、トレーナー、オステオパスが解剖の勉強をしたいと言っても、日本ではおそらく不可能でしょう。
できるだけ生身の人間に近い状態の解剖ができるということで参加を決意したのでした。

今回、私と弟で参加したのですが、「先生が解剖しながら講義をしてくれる」と思っていました。
実習当日、「全部、自分たちで解剖する」ということを知り、驚愕…。
参加者は50人。
知らなかったのは私と弟だけでしょう。

結論を申し上げますと、参加して本当に良かったです。
解剖をした後に見る『ネッター解剖学アトラス(南江堂)』がなんと新鮮なことでしょう。
今まで見ていた解剖の教科書が表面的な感覚しかなかったのですが、実際にメスを握って表皮を切り、脂肪組織を取り除き、血管や神経を取り出し、横隔膜の姿を確認し、内臓を取り出すことができたおかげで、全く違うものが見えるようになりました。
教科書だと動脈は赤、静脈は青く色分けしてありますが、あれはわかりやすく色分けしてあるだけであることに気づきました。
実際に人体が色分けされているわけではないのですよね(笑)。
そういうこともあり、リンパと周りの脂肪組織の区別がつかず…。

別に、特別な力が身についたわけではありませんが、治療の時に患者さんに触れると「あ、これがあの時に触った骨だな」と感じるのです。
こうやって書く、すごいパワーアップした感じがするかもしれませんが、本当に少しだけですけどね。
ここを脳脊髄液が流れるのか、と背骨の中の神経を見ることができたのは感激しました。
馬尾神経は本当に馬のしっぽみたいになっているのですね。
ここが圧迫されてしびれや痛みが出るというのは本当かな、と感じてしまいます。
そのおかげか、頭蓋骨の調整をしていると液体のようなものが流れる感覚をわずかに感じるようになりました。
ちょっぴりですけど。

衝撃的だったのは、腹部の癒着です。
手術をすると癒着する、とは聞いていましたがあれほど臓器同士がべったりとくっついてしまうとは思いもよりませんでした。
百聞は一見に如かず、とはよく言ったものです。
それから、心臓の動脈と腹大動脈が石灰化していて、指でつまむとパキッと音を立てて砕ける様にも驚きました。

「アナトミートレイン」創始者トム・マイヤースの解剖クラスなので筋膜もしっかりと確認。
本当に網のような筋膜。
日本でよく耳にする「筋膜が癒着する」というのも本当かな?と思いました。

そして、最も感動したのは喉頭蓋、舌骨、披列軟骨の触った感覚です。
人によって舌骨の硬さが全く違うということ。
触ると弾力があり、フニャフニャの人もいました。
それでも、触るとしなる感覚が手に伝わってきました。

当たり前のことなのですが、生きている人とご献体との違いですが、

  • 体温がある
  • 血流、リンパ、髄液など液の流れがある
  • 呼吸している
  • 腹圧、胸圧がある
  • 意識、感情がある

そのため、生きている人とご献体では触った感覚が全く違うのだろうな、と感じた次第です。
中国医学では「気がない状態」と言うことができるでしょう。
すでに亡くなっているのですから、当然、気はありません。

一つ心残りなのはご献体に鍼を刺せなかったことです。
元気な人に鍼をすると、鍼の尖端がキュッと締まる感じがあります。
疲れた人に鍼をすると、鍼の先端は空虚な感じでスカスカしています。
亡くなられた方は気がないので、どのような感じがするか興味深いです。
鍼を刺した感じでその人の回復具合を知ることができる訳です。

それにしても、解剖というのは本当に大切な学問だと痛感しました。
今回、参加したキネティコスの解剖クラスは非常に良かったです。
細かい指示を出してくださったトッド・ガルシア先生に感謝です。
そして、このクラスを教えてくださったBRMの藤沢先生にも感謝しています。
また、同じグループで一緒にかいぼうの勉強をさせて頂きました先生方にもたくさん助けられました。ありがとうございます!!

ドナープログラムにより個人情報は一切公開されないのですが、ご献体の方々は生前、ご自身の意思により医学の発展のためにその身を捧げるという決定を下されました。
そのお陰で今回、私も弟も本当に大きな気づきと収穫を得ることができました。
感謝の念で一杯です。

今回の渡米の最中、私が年末年始に立てた今後の予定が早くも変更になり、来年以降の目標ができたのは嬉しいことでした。
目標とテーマは頻繁に変わるので、終わってから発表することにします(笑)。
そういうことで、引き続き修行は続きます。

謝謝!
再見!!

「アナトミートレイン」創始者トム・マイヤースとキネティコス代表谷さんと記念撮影。本当に素晴らしい機会を与えて下さり、ありがとうございました!!